日本経団連の産業問題委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会(依田巽部会長)は13日、不正商品対策協議会の後藤健郎担当部長を迎え、政府の「知財推進計画2004」に盛り込まれた海外輸出向け統一マーク(団体商標)の検討状況について説明を聞き、意見交換を行った。
会合ではまず、後藤氏がDVDやビデオ、CD、ゲーム、玩具など日本製コンテンツの海賊版の横行ぶりについて、「そのために海外への輸出を控えさせるほどで、看過し得ないものがある」と指摘するとともに、海外における海賊版の摘発は、煩雑で実効を挙げることが困難であると説明した。
その上で後藤氏は、これに対処するためコンテンツ産業各社で構成する不正商品対策協議会、コンテンツ海外流通促進機構で、いわば「日本マーク」ともいうべき統一マークの制定を行うことを検討していることを紹介。この統一マークを付与しないコンテンツは著作権を侵害していることの立証が容易となり、また同マークを偽造したものについては、迅速な権利救済が期待できる商標権侵害によって摘発することが可能となると述べた。さらに、このマークを付与した団体で商標権侵害への対応を一元的に行うことにより、多数の権利者に対する侵害を一網打尽に摘発することも可能となり、実効性の向上が期待できる上に、「米国の同様の団体などと協力しつつ、海賊版に関する情報や権利救済のノウハウなどもマークを付与した団体において集積することができる」と新たな可能性についても言及した。
聴取後に行われた意見交換では、こういった統一マーク(団体商標)制定の取り組みについて支援していくことを確認するとともに、統一マークを付与する団体の決定を急ぐよう、不正商品対策協議会などに要請する意見などが出された。
続いて、今年10月23日から開催される「第17回東京国際映画祭」および「東京国際エンタテインメントマーケット2004」「東京フィルム&コンテンツマーケット2004」の準備状況について、同映画祭の境真良事務局長らが説明を行った。その中で取り上げられた「国際的コンテンツマーケットの創設」などの取り組みに対し、同部会では引き続き支援をしていくとの意見で一致した。