日本経団連タイムス No.2728 (2004年7月1日)

ボラーニョス・ニカラグア大統領が来訪

−佐々木・中南米地域委員長と懇談/対外経済政策など説明


日本経団連の佐々木幹夫・中南米地域委員長は6月17日、東京・大手町の経団連会館で、ニカラグア共和国のエンリケ・ボラーニョス・ゲイエル大統領と懇談した。

今回が初の訪日となるボラーニョス大統領はまず、ニカラグアの現状について、過去の誤った政策によって経済が疲弊し、多くの発展の機会を失ったが、現在では民主主義を復活させ、国家発展に精力的に取り組んでいることを強調した。
また、ニカラグアの今後の対外経済政策については、(1)グアテマラやエルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカとともに関税同盟を締結し、すべての関税を撤廃しようとしている (2)前出4カ国との間で2004年中に税関と入国審査を廃止し、2005年までに共通の労働法や社会保障法を適用する (3)米国と中米地域との貿易額は、米国とロシア、インド、インドネシア全体の貿易額の合計よりも大きいが、CAFTA(米国・中米諸国自由貿易協定)により貿易・投資を一層拡大していきたい (4)WTOドーハ会議後、EUと中米のFTA交渉を開始したい――と説明した。

良好な投資環境を強調

さらにボラーニョス大統領は、中米とEUとのFTAによって、新しい機会が生まれることや、多くの分野で投資機会に恵まれたニカラグアは、治安も中米の中で一番よく、外国企業が安心して投資できること、観光分野などでは税の優遇策もあることを、ニカラグアの持つメリットとして挙げた。
また、日本との関係については、パートナーシップを締結したい意向を示した上で、「ニカラグアは重債務貧困国だが、日本に債権の一部放棄をお願いしている。日本の発展に学び、教育方法などを取り入れ、互恵的な関係を築いていきたい」と語った。

【国際経済本部中南米・中東・アフリカ担当】
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