経営タイムス No.2721 (2004年5月13日)
日本経団連の奥田碩会長は10日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。会見の冒頭、奥田会長から、評議員会議長・副議長の人事内定(詳細別掲)と、三菱自動車工業に対する措置について説明があった。
このうち、三菱自動車工業に対する措置については、三菱自動車工業から、「当分の間、日本経団連会員としての活動を自粛したい。また、前会長逝去に伴って退任中の理事・常任理事についても、引き続き辞退したい」との申し出があったと述べた上で、この申し出を、同日開催した定款第13条委員会で了承したことを明らかにした。
国会議員の国民年金未加入や保険料未納などで混乱している年金問題については、日本経団連としては年金・介護・医療を一体として社会保障制度を改革するよう求めていることから、今国会で年金制度改革関連法案が成立しても、昨年末の与党税制改正大綱にしたがって、2007年度を目途に税制も含めた抜本的見直しが行われるよう期待を寄せた。
また、会見当日の株価が今年最大の下げ幅となり、為替も円安に振れたことについては、株価や為替は長期的に見るべきとの考えを示し、日本経済は長期的には回復軌道にあり、今回の株価下落が景気に大きな影響を与えることはないとの見方を述べた。
終身雇用制についての考えを問われた奥田会長は、終身雇用は本質的には長期雇用の1カテゴリーとした上で、「長期雇用によって優秀な人材を集めることが企業によい結果をもたらす」と述べ、長期雇用が企業にとってよいとの考えを強調した。