経営タイムス No.2702 (2003年12月4日)
日本経団連は11月21日、温暖化対策環境自主行動計画の2003年度フォローアップ結果をとりまとめ発表した。日本経団連は、1997年に策定した「環境自主行動計画」において、「2010年度に産業部門とエネルギー転換部門からのCO2排出量を、1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」ことを統一目標としており、この達成に向けて毎年、フォローアップを行っている。6回目となる今回は、2002年度の実績を調査したもの。2003年度のフォローアップ結果の概要は次のとおり。
産業・エネルギー転換部門(35業種)からのCO2排出量は、基準となる1990年度5億795万トンで、90年度の日本全体の排出量の45.3%、日本の産業・エネルギー転換部門全体の排出量の82.6%を占めている。
35業種の2002年度のCO2排出量は4億9851万トンで、2001年度比1.8%増となったが、90年度比では1.9%減少した。
各業界では、(1)CO2排出量の削減(2)エネルギー使用量の削減(3)CO2排出原単位の向上(4)エネルギー原単位の向上――の4つから自業界の指標を選択し、目標を定めて実績をまとめている。今回参加の35業種のうち、CO2排出量が減少した業種は90年度比20業種、2001年度比14業種であった。
オフィスビルや店舗などの民生業務・運輸部門では、23業種・企業が環境自主行動計画に参加し、それぞれ目標を定めて温暖化対策に取り組んでいる。
2002年度のCO2排出量は90年度比1.9%減少しており、また、1997〜2002年度の6年間平均のCO2排出量は90年度比0.9%減少するなど、取り組みの成果は順調に現れている。
2002年度のCO2排出量が90年度比で1.9%減少した要因を分析すると、「生産活動あたりの排出量」が2001年度比1.9%減、90年度比5.4%減と、各業種・企業のCO2排出削減対策が効果を上げている。
一方、景気回復に伴い、「生産活動量」は2001年度比で3.1%、90年度比で3.9%それぞれ増加、また、原子力発電所の一部停止により、「CO2排出係数」は2001年度比で0.6%増加した。
2002年度は90年度比で1.9%減少するなど、産業界の自主的取り組みは十分成果をあげている。
日本経団連としては、今後とも参加業種に対して、個々の目標達成に向けた対策の着実な実施を求めるとともに、2010年度にCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制するという統一目標の達成に向けて努力していく。