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経営タイムス No.2702 (2003年12月4日)

日本経団連、奥田会長を団長に訪中代表団派遣

−温家宝総理らと会見・懇談/日中経済関係などで意見交換


日本経団連(奥田碩会長)は11月23〜25日の日程で訪中代表団を中国・北京に派遣した。昨年5月に経団連と日経連が統合して日本経団連となって初めての訪中団派遣となった今回は、奥田会長を団長に、槙原稔副会長、千速晃副会長・中国委員長、庄山悦彦副会長、中村邦夫・中国委員会共同委員長らが参加した。温家宝総理と会見したほか、周小川・中国人民銀行総裁や趙啓正・国務院新聞弁公室主任と懇談。今後の日中経済関係や東アジアの経済協力のあり方などについて意見を交わした。

懇談のなかで周・中国人民銀行総裁は、(1)サービス業の一層の開放を進め、保険や資本市場の整備の面で日本と協力していきたい (2)人民元には切り上げ・切り下げの両論あるが、まずは国内金融改革を進めたい (3)金融改革は日本の経験も参考に解決に努めたい (4)今年の日本経済は強い回復を見せており期待している――などと語った。
趙・国務院新聞弁公室主任は、中国・西部大開発、東北地方開発のプロジェクトについて、「日本企業から中国側に積極的にアイデアを提示してもらいたい」と述べたほか、昨今の人民元議論を踏まえ、1985年のプラザ合意による円高が日本経済に及ぼした影響について研究していると発言した。

さらに訪中代表団は、温総理と北京・人民大会堂で会見した。日中経済関係について温総理は、「往復貿易額が1000億ドルを超え、人的な移動は年に350万人を突破した」と両国の緊密さを指摘した上で、「両国間の通商問題は協議によって解決し、制裁などは避けるべき」との考えを示した。

奥田会長は、「(今後の中国の発展には)道路網や鉄道網などの整備が必要となる。日本も協力したい」と述べ、中国政府が北京―上海間に建設を予定している高速鉄道計画への協力を申し出た。これに対して温総理は、「高速鉄道については、関係方面から意見を聞きながら、各提案を慎重に判断したい。現在、中国でも検討しているところである」と応じた。
一方、温総理は、中国政府が開発を重視している中国・東北地方(黒龍江省、吉林省、遼寧省)の開発への日本企業の進出を要請。奥田会長は協力する意向を示した。


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