経営タイムス No.2678 (2003年6月5日)
日本経団連は5日、2003年春季労使交渉の大手企業妥結結果(最終集計)<PDF>を発表した。それによると、調査対象(主要22業種、294社)のうち平均金額がわかっている185社の妥結額平均は5391円、賃上げ率は1.65%。昨年の最終妥結実績(193社平均、5249円、1.59%)と比べると、金額で142円増、率でプラス0.06ポイントという結果となった。
製造・非製造業別では、製造業162社平均で5566円(昨年実績比4円減)、アップ率1.74%(同マイナス0.02ポイント)。非製造業23社平均で4889円(同271円増)、1.40%(同プラス0.11ポイント)。
妥結額の分布をみると、「5000円以上5500円未満」(30社、17.0%)が最も多く、「5500円以上6000円未満」(28社、15.9%)、「3500円以上4000円未満」(22社、12.5%)と続いている。
アップ率の分布は、「1.70%以上1.80%未満」と「1.90%以上2.00%未満」(20社、11.4%)が最も多く、次いで「1.00%未満」(19社、10.8%)、「1.50%以上1.60%未満」と「1.60%以上1.70%未満」(18社、10.2%)の順となっている。
今年の春季労使交渉は、大手企業では「ベアゼロ・定昇のみ」の回答・妥結が大勢を占め、大手企業の賃上げ率は昨年実績と比べほぼ横ばいとなった。今次春季労使交渉の特徴点としては、次の4点が指摘できる。
日本経団連は、昨年12月発表の『経営労働政策委員会報告』(1月1日号既報)で、労組が賃上げ要求を掲げて、実力行使を背景に、その社会的横断化を意図して闘う「春闘」は終焉し、今後は討議する「春討」になっていくと指摘した。労使が相互に意思疎通を深め、将来の企業発展と経営環境の変化に応じた賃金制度のあり方などについて討議し検討することが重要となっている。