経営タイムス No.2676 (2003年5月22日)
次代の経営者を育成する「日本経団連フォーラム21」の第14期の開講式が19日、東京・大手町の経団連会館で行われた。開講式には、同フォーラムのメンバーである、各業界を代表する企業の若手役員・部長27名と、チーフ・アドバイザーの奥田碩会長、樋口公啓副会長と茂木賢三郎・キッコーマン副社長の両アドバイザーが出席した。
冒頭のあいさつで奥田チーフ・アドバイザーは、閉塞的な危機感が先行している現在の日本で必要なのは、「このままでは日本や会社が駄目になってしまうから、自分が日本や会社のためにできることを考えて実行する“積極的な危機感”を強くもつ人材である」とし、同フォーラムを通じて“積極的な危機感”について考え、それを会社の中で共有していってほしいと呼びかけた。
さらにリーダーシップ像について、「臆病ではリーダーシップは発揮できない。新しいことに対してしっかりした信念を持ち、必死に集中して前に向かって突き進み、どのような場面においても泰然自若でなければ部下もついてこない」と語った。
続いて、樋口アドバイザー、茂木アドバイザーがあいさつした後、参加者が一人ずつ自己紹介を行った。「異業種の方々と意見交換をし、さまざまな立場の考え方を学びたい」「この経験を通じ、何か新しいものを吸収し、今後の人生に生かしたい」「日々の業務に忙殺され、狭くなった視野を広げていきたい」――など、参加にあたっての抱負を語った。
今回開講した第14期は「21世紀の世界と日本を考える」が総合テーマ。メンバーは今後1年間かけて、国際関係、企業経営、雇用問題、政治・経済・社会など、21世紀の世界と日本をめぐる多種多様な課題について議論し、研鑚を重ねていく。各界の第一人者による講義と参加者を含めた討議を行う研究会を中心に、合宿や海外視察なども実施する予定。