経営タイムス No.2666 (2003年3月6日)
さまざまな分野のベンチャー企業経営者と日本経団連首脳が意見を交換する「起業家懇談会」が2月27日、東京・大手町の経団連会館で開かれた。6回目の今回は、ベンチャー企業4社(ナノキャリア、ユーケーテック、ナノテック、シニアコミュニケーション)の社長を招き、ベンチャー企業が抱える課題や大手企業への要望など、率直な意見を聴取。日本経団連から、奥田碩会長はじめ出井伸之・評議員会副議長ら首脳が、ベンチャー企業と大手企業との連携のあり方などについてアドバイスした。
懇談会では、高原慶一朗・新産業・新事業委員会委員長のあいさつに続いて、ナノキャリア・中冨一郎社長(医療関連物質の研究・開発・製造)、ユーケーテック・宇佐美一弘社長(形状計測・瑳�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就幹芦梓近軍圧訓⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩,粒��∪渋ぁ法▲淵離謄奪�γ羶構┝倞卍后複庁味奪魁璽謄�鵐袷�屐ι床岨邯柿�屬寮渋と稜筺⊆���豌湛�法▲轡縫▲灰潺絅縫院璽轡腑鵝�該蠖Ⅷ�卍后淵▲�謄�屮轡縫▲沺璽吋奪箸寮賁腑灰鵐汽襯謄�鵐亜法修裡柑瓩�∋�販�曽紊欧侶舒泙篳悊┐詭簑蝓�膽蟯覿箸頬召爐海箸覆匹砲弔い動娶�鮟劼戮拭�
新事業を起こすに当たって、最大の課題は資金力と販路の開拓。出席したベンチャー4社とも創業当初に苦心した経験から、大手企業に技術提携だけでなく、資本提携も含めたコラボレーションを求めた。また、大手企業のベンチャー対応窓口について、「担当者から情報が上層部に伝わりにくい」「担当者の権限が限られている」「他企業での実績を重視しすぎる」といったことに対して懸念を示し、アイデアやノウハウをもったベンチャー企業でも、いわゆる“デスバレー(死の谷)”に陥ってしまうといった現状を訴えた。
さらに、ベンチャー企業の技術や製品に対する信頼性の獲得に、提携大手企業のネームバリューやイメージを活用することも要望としてあがった。
これらの意見や要望に対し日本経団連側は、大手企業がすべて自前でやる時代ではなくなっていることから、ベンチャー企業との新たなコラボレーションの可能性に期待。ベンチャー企業の製品やノウハウに対する技術評価の難しさから、採否の決定までに時間がかかるという課題はあるものの、ベンチャーを支援・育成していく必要性は認め、ベンチャー企業に対し、今後も、ねばり強く大手企業に情報を提供していくことなどをアドバイスした。
懇談の最後に高原委員長は、大企業が持つベンチャー・キャピタル制度の活用、ベンチャー企業と大企業との技術、資本、販路などを含めた連携のあり方などについて、新たなビジンネスモデルを考えていかなければならないことを指摘。
また、奥田会長は、事業を発展させていくためには、技術とマネジメントのバランスが大事であることを指摘し、マネジメント能力のある人材の投入をアドバイスした。
<日本経団連の起業家懇談会>
日本経団連の起業家懇談会は、日本経団連幹部と、さまざまな分野で実績をあげている起業家が、新規事業創出や経済活性化のための方策などをめぐって意見交換を行う場として、新産業・新事業委員会が2000年10月に設置。
過去5回の懇談会で、15のベンチャー企業代表者から、企業立ち上げの経緯や運営、実績、課題などについて意見を聴取した。
また、02年4月には旧経団連が発表した新産業・新事業創出に関する提言「誰もが起業家精神を発揮できる社会へ」の中で、ベンチャー企業支援の観点から、ベンチャー企業経営者と経団連会員企業経営者とが情報を交換する場として、「起業家協議会(仮称)」を設置することを表明、これを受けて同年7月に「起業フォーラム」を発足させた。
今回懇談会に出席したベンチャー企業は、2月6日開催の第3回起業フォーラムでプレゼンテーションを行った企業のうちの4社。