経営タイムス No.2665 (2003年2月27日)
日本経団連は3月2日から9日までの日程で、奥田碩会長を団長とするミッションを欧州に派遣する。欧州における政治経済情勢を把握するとともに、日欧連携の強化策などについて理解を深め、対応策を探ることが目的。ベルギー、ドイツ、フランスの3カ国において、シラク仏大統領やシュレーダー独首相、主要閣僚らを表敬訪問し懇談するほか、各国の経済団体首脳ともシンポジウムなどで意見を交換する。
今回のミッションには奥田団長のほか、団員として奥井功副会長(積水ハウス会長)、西室泰三副会長(東芝会長)、柴田昌治副会長(日本ガイシ会長)、佐々木元・ヨーロッパ地域委員会共同委員長(日本電気会長)、米倉弘昌・ヨーロッパ地域委員会共同委員長(住友化学工業社長)、中村芳夫・日本経団連専務理事が参加する。
派遣の目的は、各国政府および経済界指導者との意見交換等を通じ、(1)欧州経済の現状と見通し (2)EU拡大(2004年予定)への欧州諸国の対応と日本企業への影響 (3)日欧経済関係および日欧連携の強化策――などについて理解を深め対応策を探ること。背景には、EUが2004年の拡大で新たに10カ国を加え、5億人の人口を有する世界有数の大市場となり、政治・経済両面において国際的影響力も一層増大すると考えられることがある。
こうした転換期にある欧州に日本の経済界を代表するミッションを派遣し、政治・経済情勢を直接見聞することは、今後の日欧関係のあり方などを考える上で有意義であるとともに、日本経団連と欧州各国の経済団体との協力関係強化を改めて図ることにもつながる。
ミッション一行は、3月2日ブリュッセル到着後、3日にはまず、UNICE(欧州産業連盟)と懇談ののち、プロディ欧州委員長を表敬訪問。夕刻には、朝海EU代表部大使主催夕食会に、欧州各国の日系企業代表者とともに臨む。
4日は仏・パリで、フランスの主要閣僚を表敬訪問し懇談。続いて平林駐仏大使主催の夕食会に出席し、仏政府・経済界要人と懇談する。
5日はMEDEF(フランス経団連)と懇談ののち、エリゼ宮にシラク大統領を表敬訪問し懇談する。夕刻にはパリ商工会議所会頭主催夕食会に出席する。
6日は独・ベルリンの首相府にシュレーダー首相を表敬訪問し懇談、その後、高島駐独大使主催夕食会で独政府・経済界要人らと懇談する。
7日には、BDI(ドイツ産業連盟)が主催する日独経済シンポジウムに参加するとともに、BDI、BDA(ドイツ使用者連盟)と懇談。さらにクレメント経済・労働大臣と懇談し、9日に帰国する。
今回、訪問予定に入っていないイギリスについては、時期をあらため第2次ミッションとして訪問する。