経営タイムス No.2663 (2003年2月13日)
日本経団連の奥田碩会長は10日、東京・大手町の経団連会館で記者会見し、以次の所見を述べた。
まず、日本経団連が産業再生機構の社長候補者を政府に推薦したとする一部報道を否定した上で、まだ決まったとは聞いていないと述べた。
社長候補とされる清田瞭・大和証券SMBC社長について聞かれると、「清田社長個人との面識は少ないが、会社については企業再生に実績があると理解している」との感想を漏らした。
次期日銀総裁については、(1)金融政策に通じていること (2)国内で納得の得られる人物であること (3)国際的にも相当な知名度があること――の3条件を満たしていることが望ましいとし、該当する候補者は複数名存在すると語った。
エネルギー問題に関連して、「50年や100年という長い時間軸ではいろいろな選択肢もあり得るが、ここ10年や20年で考えると、いまの電力事情からも原子力推進が必要である」と、従来の考えを改めて披露した。また、仮に戦争などにより石油価格が上昇しても、日本の石油備蓄量は170日程度あるので凌げると述べるとともに、エネルギーの安定供給の観点から、石油の供給源については、選択肢を増やすべきとの認識を示した。
米国型企業統治の日本への浸透について聞かれると、各社の自主判断とした上で、執行役員制度の定着状況等から判断して、一挙に米国型が増えるということはないと語った。
小泉改革については、進捗状況を評価し、これ以上デフレが進まなければ日本は悪くならないとの考えを示した。