経営タイムス No.2637 (2002年7月11日)
日本経団連の奥田会長は8日、経団連会館において記者会見を行った。
まず、最近の景気について、日銀短観、鉱工業生産指数、機械受注などよい数字も出てきているが、株価、失業率などをみると、実態としては経済がよくなっているとは言えないとの認識を示した。
また、予算編成について、政府が第一に取り組むべきことは歳出削減であり、その上で増減税を考えるべきであると語った。
為替については、あまりに急な変動では経営がやりにくいので安定的な動きが望ましいとし、130円から戻るテンポが若干早かったとの感想を述べた。
ペイオフについては、何らの指針も出さないまま年を越すとパニックが生じるおそれがあることから、日本経団連として、10月ごろに提言を行う考えを明らかにした。
法人事業税の外形標準化については、法人実効税率の引き下げと外形標準課税の導入は切り離して考えるべきであるとし、法人実効税率は5%引き下げて35%程度にすべきとの考えを改めて示した。
三井物産の不祥事については、上島重二副会長(三井物産会長)などから話を十分に聞いた上で、「企業行動憲章」に沿って考えたいとの意向を示した。
最後に、田中康夫長野県知事への不信任案を県議会が可決したことについて、「考えが異なるのであれば、双方の言い分をよく伝え合い、その上で県民の信を問うべきだ」との所見を述べた。