ATR実証炉計画の評価
去る7月11日、電気事業連合会(以下、電事連)から、原子力委員会、科学技術庁、通産省等に対して、ATR実証炉の建設計画の見直しとそれに代わる改良型沸騰水型軽水炉(以下、ABWR)の建設についての要望があった。電事連からの申し入れを受け、原子力委員会は、ATR実証炉計画について、経済性と核燃料リサイクル上の役割について検討した。その結果、経済性については、建設費が当初見積もりの 3,960億円から 5,800億円に、発電原価は軽水炉の約3倍に増加することが判明した。また、軽水炉によるMOX(混合酸化物)燃料利用計画の進捗、高速増殖炉(FBR)の順調な開発等により、プルトニウム燃料を利用する炉としてのATRの役割等は薄れつつあることから、ATR実証炉の建設計画については中止が妥当との結論に達した。
ATR実証炉の建設費及び発電原価
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│ │ 現行建設費 │ 今回見直し │
│ │(1984年度価格)│(1993年度価格)│
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│建 設 費 │ 3,960億円│ 5,800億円│
│建 設 単 価 │ 65.3万円/kw│ 95.7万円/kw│
│発 電 原 価 │ │ │
│− 30%補助、負担あり│ 15.10円/kwh│ 22.18円/kwh│
│− 補助、負担なし │ 25.90円/kwh│ 37.58円/kwh│
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