国際協力プロジェクト推進協議会総会(新会長 春名和雄氏)/6月21日
第2フェーズを迎えたJAIDOの活動支援体制を強化
国際協力プロジェクト推進協議会では、第6回総会を開催し、1994年度事業報告・収支決算および1995年度事業計画・収支予算等につき審議した。席上、歌田勝弘会長の後を引き継ぎ新会長に就任した春名和雄副会長より、設立7年目を迎えたJAIDOの活動をさらに発展させるため、同協議会として後方支援体制を強化していくことが明らかにされた。
また、総会に続いて6月21日付で大蔵省国際金融局長に就任した榊原英資氏より今後の日本の経済開発支援について説明を聞いた。
- 歌田勝弘会長退任挨拶要旨
1994年度、国際協力プロジェクト推進協議会では、「第2フェーズ」に入ったJAIDOを支援するため基本問題検討部会を設置し、中長期的視点からJAIDOのあり方について検討を重ねてきた。これに「開発と民間の役割」をテーマにIFCやEBRD、欧州各国の開発金融機関等の関係者が一堂に会し94年に開催された「第1回ディッチリー会議」における議論も加え、中間報告をとりまとめた。同報告では、JAIDOが新たに取り組むべき課題として
- 国際機関と日本企業との橋渡し役、
- 複数国が参加する大型案件の仲介役、
- 環境案件などの商業ベースには乗りにくい案件の推進役、
として発展していくことを掲げている。
この中間報告を踏まえ、当協議会がさらに発展していくことを望む。
- 春名和雄新会長就任挨拶要旨
JAIDOの設立に経団連の経済協力委員長として関わったほか、当協議会の副会長としてJAIDOの運営にも携わってきた。これまでの経験を生かし、新たなスタートを切ったJAIDOが民間主導の国際貢献活動の担い手として大きく羽ばたいていけるよう、支援していきたい。
具体的には、
- JAIDOが取り組むべき案件の発掘・形成への協力、
- 公的支援の取り付け等、
これまで以上にJAIDOの後方支援体制を強化していく方策を考えている。今後とも会員の皆様のご支援ご協力をお願いしたい。
- 榊原英資大蔵省国際金融局長説明要旨
今後、世界経済において先導的役割を担うであろうアジアに対しての日米欧の開発協力を比較してみると、総合的に日本は欧米に遅れている。日本は、インフラ整備などハード面での協力に力を入れてきたが、人的な面での貢献が足りないようだ。例えば、開発機関のスタッフの人数は、欧米の同様の機関に比べてはるかに少ない。
官民一体で、総合的観点からアジアの経済開発を支援する体制を構築する必要がある。
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