1月28日/防災に関する特別懇談会(座長 樋口公啓氏)
大規模災害発生時に企業が果たすべき役割等について検討することを目的に設置された同懇談会では、第2回会合に石井隆一消防庁長官を招き、消防防災行政の現況と課題、住民や企業との連携について説明をきくとともに、意見交換を行った。
日本の消防は市町村単位が原則であり、現在900の消防本部、15万人の常勤消防職員、94万人の非常勤消防団員という体制になっている。防災・危機管理の範囲は単なる消防からNBC(核・生物・化学)災害までと幅広くなっており、東海地震、東南海・南海地震の発生確率も高いことから、緊急対応体制のさらなる整備は急務である。
今国会で消防組織法および消防法の一部を改正する。改正により、緊急消防援助隊を法定化するとともに、都道府県によるヘリコプターを活用した市町村支援業務の導入、国による主体的な火災原因調査の実施、消防用設備に係る技術基準における性能規定の導入などが規定される。
消防庁では、防災・危機管理に関する教育・研修体制の充実のため、調査懇談会で検討を進めている。2003年度より、消防大学校において都道府県知事や市町村長等を対象に危機管理セミナーを開催する。地方公共団体の職員や地域の防災リーダー向けには、e-ラーニングを実施することとしている。各地域の消防学校等における講座や訓練とも組み合わせて、多様なコースをつくっていきたい。
地域の防災力・危機管理対応力を強化していくには、地方公共団体が地域の災害の発生危険度や自らの防災・危機管理体制の現状を的確に把握し、客観的に評価することが重要である。消防庁では、このための参考となる指針を作成することとしている。その中で重要なのは、住民による自主防災活動の充実である。現時点では、10万を超える自主防災組織があり、そのほとんどは町内会単位で結成されている。
全ての企業に共通する防災対策としては、