「都市と地方の問題を考える時、東京や大阪だけでなく、高松のような中都市のインフラも整備していく必要があります。その際、『均衡ある国土の発展』よりも、『地方の特色ある発展』という考え方を、政治や行政の基本としてもらいたいと思います。
本四架橋の問題は、可能性のないような通行量をもとに採算性がはじき出されたことにあります。今後、通行量を増やすには、単に通行料金を下げるだけでなく、魅力ある四国、行ってみたい四国をつくることが必要です。私は、個人的には、構造改革特区構想に絡めて、四国にラスベガスのように家族全員で楽しめるテーマパーク的なカジノ特区をつくり、東京や大阪から人を呼び込むことも一つの構想として勧めたいと考えています。部分的な観光スポットではなく、近代的で若者が好むようなダイナミックな観光スポットをつくることにより、本四架橋をうまく利用できると考えます。」
「現在、われわれが直面している課題のほとんどは、アルビン・トフラーが書いた『第三の波』で予知されています。それは、人、モノ、金、情報が自由に早いスピードで移動するグローバリゼーションの世界です。しかし、日本ではそのような変化に対応できず、制度が追いつけなかったため、今日の問題が起きています。また、少子化・高齢化も、人口統計から予測できる事実であったのですが、日本はそれに対して何もして来ず、いまになって慌てて対応しているという状況です。
そのような変化に追いつくために、われわれは行財政改革を進めていますが、改革には時間がかかります。小泉改革は進んでいないという批判もありますが、経済財政諮問会議の一員として、改革の痛みが増しつつある中で、ある段階から急速に改革が進むという確信を持っています。われわれは世界の潮流に遅れ、現実にも対応をして来なかったわけですが、今年は勝負の年であると言われるように、いち早く対応することがわれわれの重要な責務であると思います。」