この度のご逝去の報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

渡さんは、経済のグローバル化が急速に進む中、経営者として類まれな実行力と手腕をもって、自社ならびに業界、さらには経済界全体の発展を牽引され、経済の血脈であるエネルギーの安定供給に尽力されました。また、先見の明に長け、当時から、環境保全に向けた取り組みを積極的に展開され、低炭素・水素社会の将来像を具体的に示されるなど、環境政策の面でもフロントランナーのお一人でありました。

経団連では、経営者として培った豊富な経験に加え、幅広くかつ卓越した識見をもって、副会長、審議員会議長などを務められ、指導力を発揮されました。また、広報委員長や2009年の経団連夏季フォーラムの議長として、経済界からの各界への意見発信に尽力されました。

コロナ禍という厳しい状況が続く今こそ、国の総力を結集し、未来を切り拓いていかなければなりません。前例にとらわれず諸改革に果敢に取り組まれた渡さんの志を継ぎ、豊かな未来社会の実現に向けて、引き続き邁進する所存です。

ご冥福を心よりお祈り申しあげます。