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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年2月15日 No.3625 関西会員懇談会を開催 -官民連携でデフレから完全脱却し、「成長と分配の好循環」を実現する

あいさつする十倉会長

経団連は1月18日、大阪市内で「関西会員懇談会」を開催した。十倉雅和会長、冨田哲郎審議員会議長、副会長、関西地区の会員ら約360人が参加。「官民連携でデフレから完全脱却し、『成長と分配の好循環』を実現する」を基本テーマに意見交換した。

開会にあたり、十倉会長は、「日本経済は、継続的な賃金引上げのモメンタム、投資・消費の拡大などに支えられ、持続的な経済成長の実現に向けた力強い一歩を踏み出している」と指摘。「2024年は、この上向きのモメンタムを加速させ、官民が連携して30年来のデフレからの完全脱却を実現する、歴史的な転換の年にしたい」と述べ、「そのために、経団連は『成長と分配の好循環の実現』に全力で取り組んでいく」との決意を示した。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の成功に向けて、引き続きの支援を呼びかけた。

■ 関西経済の活性化に向けて

「関西経済の活性化に向けて」をテーマとする懇談では、日本新薬の前川重信会長から、京都の魅力と自立型地方創生について、パナソニック ホームズの井上二郎社長から、サステイナブルな街づくりについて、エイチ・ツー・オー リテイリングの荒木直也社長から、ローカルコンテンツのプレミアム化とグローバル化について、それぞれ発言があった。

これに対して、経団連から、

  1. (1)紹介のあった取り組みは、いずれも経団連が推進する「内発型の地域づくり」と軌を一にしており、日本経済を牽引することを期待する。また、大阪・関西万博への来場意欲を高めるため、全国的な機運醸成に取り組む(永井浩二副会長)
  2. (2)歴史的・文化的資産、暮らしの利便性、豊かな自然環境など、関西の各地域が持つ多様な魅力を組み合わせて世界に発信し、多くの人々が関西を回遊して、長く滞在することにつなげていく観光政策が重要である(野田由美子副会長)
  3. (3)人口減少社会を見据え、社会包摂的な観点からも、災害リスクが低い地域でコンパクトシティを形成し、活力ある地域を多極的に構築していくことが求められる(冨田審議員会議長)

――との発言があった。

■ 産業競争力強化に向けて

「産業競争力強化に向けて」をテーマとする懇談では、山陽特殊製鋼の宮本勝弘社長から、カーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みについて、東洋ライスの雜賀慶二社長から、食を通じた健康等の推進について、それぞれ発言があった。

これに対して、経団連から、

  1. (1)グリーントランスフォーメーション(GX)の実現には、再生可能エネルギーの主力電源化、水素を活用した産業部門の脱炭素化、市況や地政学リスクに左右されにくい原子力の活用などが重要である(小堀秀毅副会長)
  2. (2)国民の食と健康に関わる農業分野も経済安全保障の重要なテーマの一つであり、生産性向上や産業としての持続可能性の維持が欠かせない。農地の集積・大規模化やスマート農業の推進などに取り組むべき(安永竜夫副会長)
  3. (3)中長期的な競争力の維持・強化に向け、デジタル技術の活用を前提とした社会への変革とともに、それに伴う電力需要に対する安価で安定したエネルギー供給が不可欠である(澤田純副会長)
  4. (4)「2024年版経営労働政策特別委員会報告」では、24年の春季労使交渉における経営側の基本スタンスとして、「構造的な賃金引上げ」の実現に貢献していくことが経団連・企業の社会的な責務であると明記した(小路明善副会長)

――との発言があった。

また、住友電気工業の松本正義会長(関西経済連合会会長)は、大阪・関西万博の全国的な関心の向上やチケット販売の促進に取り組む決意を表明するとともに、引き続き、経団連幹部の支援を求めた。また、コーポレートガバナンスの推進、「うめきた2期」の取り組みについても説明があった。

◇◇◇

夢洲視察の模様

懇談会に先立ち、一行は大阪・関西万博の会場となる夢洲を視察。会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏および2025年日本国際博覧会協会幹部から、リングなどの工事の進捗状況等について説明を聴いた。

【関西事務所・総務本部】

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