経団連は1月17日、第2回「スタートアップフレンドリースコアリング」の回答受付を開始し、全会員企業に調査票を発送した。同スコアリングは、スタートアップエコシステムの成長に向けた大企業の行動変容を図るという目的のもと、各社がスタートアップにどれだけフレンドリーか、あるいはエコシステムにおいてどれだけ重要な役割を果たしているかを可視化する仕組み。各社は、経団連会員専用システムに掲載されているスコアリングシートに回答することで、非公開で自社のスコアや分析レポートを受け取ることができる。
■ スコアリングの背景・意義
経団連は2022年3月の提言「スタートアップ躍進ビジョン」において、27年までに、スタートアップを量・質ともに10倍にする「10X10X」を掲げた(図表1)。
ここで掲げた目標および施策は、政府の「スタートアップ育成5か年計画」等にも反映されており、官民挙げて「5年後までにスタートアップを量・質ともに10倍にする」ための施策が集中的に展開されている。
とりわけ大企業においては、スタートアップエコシステムの重要な一員としてスタートアップの成長に貢献し、その活力を取り込んで共に成長していくことが求められる。そこで、大企業のさらなる取り組みに寄与すべく、経団連は「スタートアップフレンドリースコアリング」を22年度に策定した。
■ スコアリングの概要
同スコアリングでは、「スタートアップへのリソース提供」「スタートアップの取り込みによる次世代の本業作り」「事業・人材の輩出によるスタートアップエコシステムへの貢献」の三つの評価軸(図表2)から、各社の取り組みを数値化し、非公開で個別にスコアや分析レポートを返送する。また、先進的な取り組み事例等が公表される。回答することで、自社のスタートアップとの連携のさらなる加速や対外的なPRにつなげることができる(図表3)。
22年度の第1回は150社が参画。第2回は、前回の結果と回答企業のフィードバックを踏まえ一部設問等を改訂した。
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同スコアリングによって大企業の意識や行動が変容し、スタートアップエコシステム全体が活性化していくことが期待される。政府もこの取り組みを注視している。未回答の大企業には、23年度のスコアリングへ回答をお願いしたい。
なお24年春ごろを目途に、スコアの高い企業や好事例等の公表、イベントの開催等を予定している(図表4)。
【産業技術本部】