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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年12月14日 No.3617 「経団連生物多様性宣言・行動指針」を改定

2022年12月に「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(GBF)が採択され、23年3月には日本政府により「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定された。また、9月には自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が開示フレームワークを示す提言を公表するなど、国内外で生物多様性に関連する動きが活発化している。

こうした昨今の情勢を踏まえ、経団連と経団連自然保護協議会は12月12日、生物多様性保全への企業の取り組みの深化を目指し、「経団連生物多様性宣言・行動指針」を改定、公表した。

改定のポイントは次のとおり。

■ 改定のポイント

(1)GBF、生物多様性国家戦略等を踏まえた内容

GBFが50年ビジョンとして「自然と共生する社会」を掲げ、30年ミッションとして「ネイチャーポジティブ」(NP)をうたっている。そこで、同宣言のビジョンとして「自然と共生する社会」の実現を目指し、NPに貢献する旨を盛り込んだ。また、GBFの「ターゲット15」や、国家戦略の基本戦略において、企業に焦点を当てた記述があることに鑑み、企業の役割を明確に記載した。加えて、TNFDの公表を踏まえ、サプライチェーン全体での評価、情報開示、ステークホルダーとの対話の重要性などを強調した。

(2)GX、CE、NPの統合的な取り組みへの言及

経団連の活動方針である「サステイナブルな資本主義」の実践に向け、グリーントランスフォーメーション(GX)、サーキュラーエコノミー(CE)、NPを統合的に進めていくこととした。

(3)構成の整理
経団連生物多様性宣言・行動指針ストラクチャー

(図表のクリックで拡大表示)

これまでの宣言・行動指針の構成を整理し、全体構造(ストラクチャー)を明確化した(図表参照)。究極の目的である「ビジョン」として「自然と共生する社会の実現」を掲げたうえで、その実現に向けた「企業の役割」と「必要な視点」を明記。この「企業の役割」を果たすために、具体的な手法として九つの「行動指針」を示した。

■ 経団連生物多様性宣言・行動指針の概要

(1)ビジョン

自然と共生する社会の実現

(2)企業の役割

生物多様性・生態系を含む自然資本の保全・再興に貢献する財・サービスの提供や技術の研究開発およびサプライチェーン全体での取り組み

(3)必要な視点

グローバル・ローカル両方の視点を持ち、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーと統合的にとらえ、地域や事業活動の特性に応じた多様な手法を用いてネイチャーポジティブ(自然の保全・再興)に取り組む

(4)行動指針
  1. (1)事業活動と生物多様性等の関係の把握・管理
  2. (2)カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーとの統合的な取り組み
  3. (3)地域の特性を踏まえた取り組み
  4. (4)情報開示をはじめステークホルダーとの適時適切なコミュニケーションの実施
  5. (5)経営トップによるガバナンス構築・リーダーシップ発揮
  6. (6)遺伝資源の公正かつ衡平な利用
  7. (7)生物多様性等の損失緩和措置のあり方
  8. (8)社会貢献活動
  9. (9)啓発活動

◇◇◇

経団連と経団連自然保護協議会は、今後、経団連生物多様性宣言・行動指針への賛同を募り、普及・実践を通じて、自然共生社会、サステイナブルな経済社会の実現に向けて取り組みを進めていく。

【経団連自然保護協議会】

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