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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年11月9日 No.3612 マーフィー・ニュージャージー州知事一行との懇談会を開催 -アメリカ委員会

マーフィー氏

マシューズ氏

サリバン氏

経団連のアメリカ委員会(澤田純委員長、早川茂委員長、植木義晴委員長)は10月17日、米国ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事一行の来日の機会をとらえ、東京・大手町の経団連会館で懇談会を開催した。マーフィー知事、Choose New Jerseyのウェスリー・マシューズ社長兼CEO、同州政府経済開発機構(NJEDA)のティム・サリバンCEOによる説明の概要は次のとおり。

ニュージャージー州にとって日本は最大の対内直接投資国である。製薬、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、通信、金融サービス、フィンテック、グリーン経済(洋上風力発電)など多様な産業を有している。米CNBCの調査において、米国で最もビジネスがしやすく、最もビジネス環境が改善された州とされた。2022年のGDP成長率は、全米平均が約3%であるのに対し、当州は約4%であった。

このような経済成長の要因の一つに好立地であることが挙げられる。当州にあるニューアーク・リバティー国際空港は、国際線直行便が1日平均311便あり、世界の88都市に就航している。フィラデルフィア国際空港、ジョン・F・ケネディ国際空港、ラガーディア空港など近接州の三つの主要空港にも、車で1時間以内にアクセスできる。

また製造業を営む企業が4200社以上あり、雇用も増加している。通信機器、フォトニクス、クリーンエネルギー、製薬、食料・飲料などの分野で全米を先導している。製造業者による設備投資を支援するため、5000万ドル以上を割り当て「製造バウチャー・プログラム」(The New Jersey Manufacturing Voucher Program, NJ MVP)を設立した。同プログラムはNJEDAが運営し、対象となる設備費のうち30~50%(最高25万ドル)まで補助金を支給する。また、当州に進出する日本企業等を支援するため、21年に、7年間で140億ドル以上の税額控除や助成金を提供する法律を成立させた。

子育て世帯に最適な州である。幼稚園から高等教育における米国内の公立学校制度に関する調査で1位を獲得しているほか、高等教育段階でのSTEM(科学・技術・工学・数学)教育にも注力している。さらに、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)やLGBTQ+の権利に関する法を整備しており、多様性の観点からも優れた環境を有している。

Choose New Jerseyは非営利の経済開発機関で、当州への進出・拡大を目指す企業を精力的に支援している。一方、NJEDAは州内の雇用創出を支援するとともに、投資と開発を促進して州経済を成長させることを目的に活動している。進出企業を強力に支援する体制を整えている。

日米関係はかつてないほど強固なものであるが、世界情勢の不安定さを考慮すれば、さらなる関係強化が必要である。州レベルでも日本企業との関係を強化していきたい。

【国際経済本部】

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