1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2023年10月19日 No.3609
  5. 第2回ウクライナ経済復興特別部会を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年10月19日 No.3609 第2回ウクライナ経済復興特別部会を開催

神田氏

経団連の日本NIS経済委員会ウクライナ経済復興特別部会(國分文也部会長)は9月21日、東京・大手町の経団連会館で第2回会合を開催した。財務省の神田眞人財務官から、ウクライナの経済復興に向けた日本政府の取り組みや今後の方針に関する説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

日本のウクライナ支援は揺るぎない。この点は8月2日に私がキーウに赴き、初めて開催した日ウクライナ財務協議で先方に伝達した。ウクライナからは、日本による支援や、日本の国際舞台での主導的な役割に対する感謝とともに、反汚職をはじめとする改革への力強いコミットメントが示された。

現在、日本は総額約76億ドルのウクライナ支援を実施している。このうち55億ドルが世界銀行との連携である。対ウクライナ融資にかかるリスクを世界銀行のバランスシートから切り離すため基金が新設されているが、ここに日本が払い込んだ「拠出国債」を活用して信用を補完することで、世界銀行のウクライナへの財政支援・融資を促進する。加えて、世界銀行の信託基金を通じたグラント(返済義務を課さない資金)の供与も行っている。

また、日本はG7議長国として、4年間で156億ドル規模の国際通貨基金(IMF)の支援プログラムを取りまとめた。

他方、ウクライナの復興に必要とされる資金は10年で4000億ドル超と試算されている。この膨大な額を賄うためには民間資金が不可欠である。日本は、世界銀行グループの多数国間投資保証機関(MIGA)の信託基金に第1号ドナーとして2300万ドルを拠出した。また、民間資金の呼び水の一環として、国際協力銀行(JBIC)は、現地スタートアップとの連携強化や脱炭素化など、日本企業の強みを活かした支援を推進するための投融資制度を用意している。

このほか、G7などの国々で凍結されている約3000億ドル相当のロシアの国家資産を活用することも議論している。

日本政府は、2024年初めの適切な時期に「日ウクライナ経済復興推進会議」を日本で開催する予定である。ウクライナ政府首脳出席のもと、日本が官民を挙げてウクライナの復興を力強く後押しする機会としたい。

【国際経済本部】

「2023年10月19日 No.3609」一覧はこちら