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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月13日 No.3598 「ISOシンポジウム」を開催 -ISOトップと意見交換

フランケ氏

ムヒカ氏

6月12~15日に金沢市で開催された国際標準化機構(ISO)理事会および関連会合に出席するため、ISOトップのウルリカ・フランケ会長とセルジオ・ムヒカ事務総長が来日した。

わが国の国際標準戦略のあり方を検討するうえで、ISOの最新動向をつぶさに注視することは極めて重要である。そこで、経団連は6月16日、東京・大手町の経団連会館で「ISOシンポジウム」を開催し、フランケ会長とムヒカ事務総長から、世界におけるISOの役割やISO規格による効果等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 世界におけるISOの役割

1947年に英国・ロンドンで設立されたISO(49年にスイス・ジュネーブに本部を移転)は今日まで約80年間、ISO規格の開発等を通じて世界の発展に尽くしてきた。現在168カ国が加盟しており、日本のJISC(Japanese Industrial Standards Committee、日本産業標準調査会)とも緊密に連携している。

標準化は数人の専門家任せにすべき問題ではない。手順を踏まえコンセンサスベースで進めるのはもちろん、加盟国の大宗を占める途上国の意見も適切に反映するよう努めている。皆がISO規格を開発する主役であることを認識してほしい。

世界が目まぐるしく変化するなか、経済社会の発展に持続的に貢献するため、ISO自身も変革する必要がある。例えば、かねて検討を重ねてきたAIに関しては、AI利用に関するISO規格の開発を進めているほか、総会等におけるAI翻訳の実装も予定している。広範な声に応えることによって、より良い世界をつくっていきたい。

■ ISO規格による効果

ISO規格は各国や企業の競争力の源泉である。未来を見据えた標準化を志向し、世界の変化に柔軟に対応する観点から、従来のボトムアップ方式にトップダウン方式を組み合わせていくこととしている。

未来に向けた重要な動きとして、第1に高齢化が挙げられる。少子高齢化は日本のみならず西側諸国共通の課題といえる。今後さらに進行する少子高齢化社会に適合するように、高齢者と若年者双方に配慮しつつ、現行のISO規格を見直していくことが求められる。

また、バイオテクノロジーも注視すべきである。遺伝子編集技術の進化により新しい食物を生み出し得る一方、倫理的な問題も内包することに鑑み、さまざまなステークホルダーの意見を聴きながらISO規格の開発を進めていきたい。

さらに、AIを用いたISO規格の開発にあたっては、ディープフェイクに惑わされないことや、AIをめぐる倫理的な問題を勘案することが極めて重要である。このほか、エネルギーの安定供給や貿易パターンの変化、新たなビジネスモデルの創出といった側面でも、国際規格は重要な役割を担い得る。

ISOは引き続き、より良い未来のあるべき姿を考え、議論し、ISO規格を通して戦略的なオプションを提示していきたい。日本の経済界の積極的な参画をお願いしたい。

【産業技術本部】

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