1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2022年12月22日 No.3572
  5. 第8回日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月22日 No.3572 第8回日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)を開催 -時代の潮流に合わせた日中関係の構築と世界への貢献で一致

経団連(十倉雅和会長)は11月28日、中国国際経済交流センター(CCIEE)と共に、日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)を2021年に続きオンラインで開催した。同会合は、日中経済界同士の交流強化や協力促進を目的に15年から毎年開催している。8回目となる今次会合には、日本側から福田康夫元内閣総理大臣や十倉会長、中国側からは曽培炎元国務院副総理ら、日中両国合わせて約40人が参加した。

開会にあたり、十倉会長があいさつ。「日中が経験を共有し、双方の社会課題の解決に努力していく必要がある。両国が責任ある大国として、世界の持続可能な発展を主導していくべきである」と述べた。曽培炎元国務院副総理は、「改革開放は繁栄をもたらし、協力はウィンウィンの関係を構築する」として、両国関係の強化に引き続き尽力する旨を表明した。福田元首相は、22年が日中国交正常化50周年にあたること、先の中国共産党第20回全国代表大会において、新しい指導部が決定されたことを受け、「心機一転、新しい日中関係を構築すべきである」と発言した。

■ 幅広いテーマをめぐり日中双方が熱心に議論

第1セッションでは、足元の経済情勢をめぐり議論した。日本側からは、「新しい資本主義」実現に向けた日本政府の基本政策や経済対策などを説明した。中国側からは、複雑な外部環境下にあっても日中の貿易・投資が安定的に推移していることは、両国関係が密接かつ高度に補完的であることの証左であるとの指摘があった。

第2セッションでは、両国共通の課題である高齢化への対応について議論した。日本側からは、健康長寿社会を実現するには、健康寿命をいかに延伸するかにかかっており、健康・医療・介護などの機関間でのデータ共有が不可欠であるとの指摘があった。中国側からは、日本が高齢化の進展する過去20年間の社会で培ってきた経験と教訓から学ぶことは多く、連携を模索したいとの言及があった。

第3セッションでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進をテーマに議論した。日本側からは、特にアジアにおいてはトランジションに向けた取り組みが重要であること、必要な資金を呼び込むための国際的なルール形成に注力していること等を紹介した。中国側は、GXやDXの分野において、日中がそれぞれの強みを持ち寄って連携していくことに期待を寄せた。

第4セッションでは、自由貿易の推進について意見交換した。日本側からは、自由で開かれた国際経済秩序を維持・強化するためには、世界貿易機関(WTO)の改革とともに、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の適切な履行が必要であると指摘した。中国側からも、RCEPを活用した東アジアにおけるサプライチェーンの強靱化が重要であるとの認識を示した。

■ 共同声明を採択
~日中国交正常化50周年を契機に、世界の平和と安定、繁栄と発展を共同で促進

以上の議論を踏まえ採択した共同声明では、9月に迎えた日中国交正常化50周年を契機に、時代の潮流に合わせた日中関係の構築に努め、アジア地域ひいては世界の平和と安定、繁栄と発展を共同で促進していくことで一致。そのうえで、(1)両国の高齢化問題に対応するスマート技術のイノベーションと応用分野での協力を促進すること(2)デジタル経済による発展の成果を共有するとともに、グリーン化を推進し、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献すること、また、DXを加速するためには信頼性のあるデータ流通と、国をまたいだデータ利活用が重要であること(3)アジア太平洋地域のサプライチェーンの安全と安定の保障、貿易と投資の自由化・円滑化を進めるための改革や、協定の適切な履行が重要であること――等を盛り込んだ。

【国際協力本部】

「2022年12月22日 No.3572」一覧はこちら