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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月15日 No.3571 グローバル課題に連携して取り組み、二国間経済関係の一層の強化を図る -第32回日本メキシコ経済協議会を開催

経団連の日本メキシコ経済委員会(片野坂真哉委員長、倉石誠司委員長)は11月21日、東京・大手町の経団連会館でメキシコ国際企業連盟(COMCE)と共に第32回日本メキシコ経済協議会を開催した。8年ぶりの対面会合となった今回は、日墨双方から60人余りが出席した。

開会に際し、来賓があいさつ。外務省の小林麻紀中南米局長は、メキシコとのさらなる関係強化を図り、人的往来の増加に向けた取り組みを継続するとした。また、メルバ・プリーア駐日メキシコ大使は、両国経済関係の今後の発展に向けた協力について、特に日本企業によるリチウム関連の投資に期待を表明した。

続く二つのセッションでは、日本とメキシコ両国からパネリストが登壇し、変化する世界情勢のなかで両国が取り組むべき課題、二国間の貿易・投資の拡大と多様化をめぐり議論した。概要は次のとおり。

■ 第1セッション
「サプライチェーンの強靱化とサステナビリティ分野において一層の協力を」

日本側からは、サプライチェーンの強靱化に向けた動きのなかで、メキシコは米州への良好なアクセスや国内市場の成長性等、多くの強みを有しており、ニアショアリング(注)の拠点としても期待が高まっていると指摘した。また、メキシコでの事業を含むサプライチェーン全体で、地球環境の保全、社会の持続的発展に取り組み、サステナビリティの実現に貢献する考えを示した。

メキシコ側からは、サプライチェーン強靱化に向け、充実した鉄道、港湾、道路など物流インフラの活用が大きな魅力となるとの指摘があった。また、メキシコが強みを持つ農産品・加工品の供給を通じて、サステナビリティ等の国際的課題にも貢献し得る付加価値を創出しており、今後、日本市場向けにも消費者の嗜好に応じた製品を提供していきたいとの説明があった。

■ 第2セッション
「高まる対メキシコ投資拡大への期待~ビジネス環境改善は引き続き重要」

日本側からは、メキシコにおける投資優遇制度であるマキラドーラを活用した事業展開や人材教育の取り組み等を紹介し、今後もメキシコの経済成長に貢献していく姿勢を示した。他方、課題として、付加価値税(IVA)の還付など行政手続きの迅速化を挙げた。また、両国間の人的往来は、コロナ禍で減少したものの、わが国の水際規制の緩和に伴い、メキシコからの訪日者数を拡大すべく、政府とも連携して取り組みを強化するとの意向を示した。日本からメキシコへの訪問者数は、徐々に回復傾向にあることから、今後の貿易投資の拡大や観光振興を睨み、さらなる促進を図るうえで必要とされる治安の改善に期待を込めた。

メキシコ側からは、北米市場において、メキシコで製造された自動車のシェアが拡大していることを紹介。これを踏まえ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を最大限に活用し、電気自動車の普及に向けた日本企業のさらなる投資を求める意見があった。加えて、自動車産業に限らず、多様な分野における対メキシコ投資の可能性について言及した。

◇◇◇

経団連は、今後もCOMCEと密に連携し、日墨経済関係の強化に取り組む。また、日墨EPAのビジネス環境整備委員会などを通じて、両国政府に諸課題の改善と解決を働きかけていく。

(注)生産拠点を最終消費地に近いところに設置・移転すること

【国際協力本部】

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