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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年10月13日 No.3562 モビリティ委員会発足 -キックオフ会合を開催

経団連(十倉雅和会長)は、モビリティ産業の国際競争力の強化を通じた日本経済全体の成長を目指すモビリティ委員会(十倉委員長、豊田章男委員長、有馬浩二委員長)を2022年6月に新設した。

9月22日、そのキックオフ会合を東京・大手町の経団連会館で開催し、オンラインを含めて約400人が参加した。同委員会の設立趣旨について認識を共有するとともに、モビリティを軸とした成長ビジョンなどについて意見交換した。3委員長の発言の概要は次のとおり。

■ 十倉会長

十倉会長

日本が産業の国際競争力を強化し力強い経済成長を遂げるためには、2050年カーボンニュートラル(CN)の実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速とともに、今後の日本経済を牽引する産業構造の構築と成長産業の育成が急務である。

モビリティ産業は、裾野の広い日本の基幹産業であり、「成長と分配」の好循環を実現するうえでも大きな役割を担う。また、「移動の自由」は、言論の自由とともにわれわれのウェルビーイングにかかる普遍的価値である。新しい領域で技術革新が進むなか、「移動」に関する業種・業界が幅広く関わり合うことで、国民生活のさらなる豊かさの実現につながっていくことから、さまざまな社会実装を加速していく必要がある。

そうしたなか、同委員会には、幅広い業種・業界から、200社・団体を超える参加の申し込みがあり、モビリティ産業への関心の高さと産業界全体として取り組むことの重要性をあらためて感じている。これからの日本の競争力のカギを握るともいえるモビリティ産業が、わが国産業の発展の良いペースメーカーになることを期待する。

■ 豊田委員長

豊田委員長

日本の自動車産業は、過去20年間で国内の旅客自動車(乗用車・バス)および貨物自動車(トラック)全体の走行時のCO2排出量を23%削減するなど、国際的にみても先行して努力を重ねてきた。20年に日本政府が発した「2050年CN宣言」以降は、「CO2は、エネルギーを『つくる・運ぶ・使う』人全員で減らしていくもの」や「規制で技術の選択肢を狭めるべきではない」など、正しい理解を呼びかけてきた。同時に、EV、水素、合成燃料など、さまざまな選択肢の可能性を追求し、志を共にする仲間を増やしてきた。

今後は、業界・業種を超えた仲間の輪を広げ、社会実装を加速していくことが重要である。課題は多いが、モビリティ、そして日本の未来のためにオールジャパンで取り組んでいきたい。

■ 有馬委員長

有馬委員長

日本自動車部品工業会の会長でもある私が特に果たすべき役割は、サプライチェーン全体および中小企業との連携にあると考えている。

CNやDXには、個社だけでは対応困難な課題が多いため、自動車メーカーやTier2(注1)以下に加え、インフラやエネルギー、素材、物流などの他業界との連携が欠かせない。Tier1(注2)メーカーを中心とする同工業会は、上流から下流まで多様な企業との接点がある。各社の「接着剤」となり、課題解決に貢献していきたい。

また、モビリティ産業を支えている企業の多くは中小企業であり、中小の競争力強化こそが産業発展のカギである。中小の実態を反映することで、委員会活動をより実効性のあるものにしていきたい。

◇◇◇

会合後、3委員長は記者会見を行い、委員会新設のねらい、抱負を述べた。

(注1)二次請け。Tier1メーカーに部品を供給するメーカーを指す

(注2)一次請け。完成車メーカーに直接部品を供給するメーカーを指す

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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