経団連の西澤敬二企業行動・SDGs委員長は7月14日、国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁と都内で懇談した。経団連とUNDPは、2018年にSDGs推進に関する覚書を締結しており、これまでSDGsビジネス機会の創出、ビジネスと人権に関する取り組みの促進などにおいて連携してきた。
シュタイナー総裁は、「SDGsの目標やターゲットは、新型コロナウイルスやウクライナを想定したものではなく、“魔法の方程式”でもないが、多様な組織の連携を可能とする、世界共通の枠組みであり続けている。また、国家、地域、企業の持続可能な成長を左右する変数となっている」と、SDGsの重要性をあらためて強調した。また、経団連のSociety 5.0 for SDGsを野心的で未来志向の包括的なアプローチと評価したうえで、その進展に関心を寄せた。
西澤委員長は、新型コロナの影響で直接対面できなかった3年間の経団連および日本企業におけるSDGsへの取り組みの進捗について説明するとともに、サステイナブルな資本主義の確立を目指す「。新成長戦略」を紹介した。
そのうえで、両者は、持続可能で包摂的な社会への変革を加速するには、企業が経営や事業の中核にSDGsを組み込んで実践し、そのインパクトをマネジメントしていくこと、SDGsへの取り組みに向けた民間資金の流れを拡大することが必要であるとの認識で一致。さらなる連携強化に合意した。
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なお、UNDPでは、SDGs達成につながる投資や事業の世界基準を策定し、その基準に適合した案件を認証する取り組み「SDGインパクト」を展開している。UNDPは、世界に先駆けて、SDGインパクト基準に関する研修を日本で開始することとしており、同日、そのキックオフイベントを開催した。同イベントのパネルディスカッションには経団連金融・資本市場委員会建設的対話促進ワーキング・グループの銭谷美幸座長が登壇し、今年6月に公表した経団連の報告書「“インパクト指標”を活用し、パーパス起点の対話を促進する」を紹介した。銭谷座長は、企業がUNDPの「SDGインパクト基準」を活用して、SDGsを事業の意思決定に組み込むことができれば、投資家との対話にも役立つと述べた。
〇 SDGインパクト
https://www.undp.org/ja/japan/undpのイニシアチブ/sdg-impact
〇 特設サイト
https://sdgimpact-jp.org/
〇 日本語での「SDGインパクト基準研修」
https://simi.or.jp/info/9335
【SDGs本部】