経団連は6月17日、環境委員会廃棄物・リサイクル部会(山田政雄部会長)をオンラインで開催した。環境省環境再生・資源循環局総務課循環型社会推進室の平尾禎秀室長から、中央環境審議会循環型社会部会において議論が行われている「循環経済工程表」について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ 第四次循環型社会形成推進基本計画の評価・点検と循環経済工程表
政府は、循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、概ね5年ごとに循環型社会形成推進基本計画を策定している。2018年に策定した「第四次循環型社会形成推進基本計画」については、着実な実行を確保するため、2年に1回程度、中央環境審議会において、同計画に基づく施策の進捗状況を評価・点検している。21年、循環経済への移行加速に向けた工程表策定に関する記載が地球温暖化対策計画に盛り込まれた。そこで22年は「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」を重点点検分野と設定して施策の進捗状況を評価・点検するとともに、循環経済工程表を取りまとめる予定である。
■ 循環経済工程表に関する経緯
資源生産性や循環利用率といった指標を用い、項目ごとに評価・点検した。また、パブリックコンサルテーションとして、循環経済の将来像とそのアプローチに関して事前に意見を公募したほか、幅広い関係主体が参加したワークショップも開催した。ワークショップでは経団連にも登壇してもらい、J4CEの活動成果等を説明してもらった。
これらの評価・点検結果やパブリックコンサルテーションで得た意見を踏まえ、50年を見据えた目指すべき循環経済の方向性と、30年に向けた施策の方向性を循環経済工程表として起案した。
■ 循環経済工程表の概要
現在の経済社会の物質フローを、環境保全上の支障が生じないことを前提に、ライフサイクル全体で徹底的な資源循環が行われる物質フローとすることが重要である。50年を見据え、「必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供する」将来像を目指す。
30年に向けた施策の方向性を「素材」「製品」「循環経済関連ビジネスの促進」「廃棄物処理システム」「地域の循環システム」「適正処理」「国際的な循環経済促進」「各主体による連携、人材育成」の項目ごとに整理する。これに基づいて取り組みを進めつつ、カーボンニュートラルに向けた進捗の適切な把握といった観点から、施策を評価するための指標等も検討していく。
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説明後、環境省から、フードドライブ(家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動)の取り組みについて紹介があった。
【環境エネルギー本部】