経団連の菰田正信副会長・観光委員会委員長と武内紀子審議員会副議長・観光委員会委員長は4月21日、斉藤鉄夫国土交通大臣を訪問し、1月に公表した「持続可能でレジリエントな観光への革新~改定『観光立国推進基本計画』に対する意見」(1月27日号既報)を建議するとともに種々意見交換した。
建議を受けて斉藤大臣は、「成長戦略の柱・地域活性化として観光の重要性に関する認識は一致している。観光立国推進基本計画の改定に提言の内容を反映できるよう努力していく」と述べた。なかでも、産業としての観光の発展を目指し、提言の柱の一つとして掲げた「担ってよしの観光」に関して、「ぜひとも担いがいのある産業にしていきたい」と強調した。また、観光立国推進基本計画の改定時期については、「インバウンドの状況を見極めつつ、できる限り今年度内には改定したい」と説明した。
その後、観光振興に向けた課題として、水際対策のあり方や2025年の大阪・関西万博の積極活用をめぐり意見交換。特に、水際対策については、武内副議長が、世界から2000名以上の若者が参加する国際会議の開催地が東京から英国に変更されたことを受け、「ショックであり、優秀な若者が日本のファンになるチャンスを失ってしまった」と述べ、その緩和を要望した。菰田副会長も、「日本は海外からの入国をいつ閉めてしまうかわからないと、海外の企業に受け止められている」と指摘し、現行の水際対策が企業誘致、ひいては日本経済の発展にマイナスの影響を長期的に与えかねないとの見解を示した。これに対して斉藤大臣は、「政府として重要なテーマであり、しっかりと議論したい」と応じた。
【産業政策本部】