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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年1月13日 No.3528 Society 5.0の実現に向けた企業データ -ブルームバーグ社から聴く/金融・資本市場委員会建設的対話促進ワーキング・グループ

銭谷座長(左上)とブルームバーグ社説明者一同

経団連は11月30日、金融・資本市場委員会建設的対話促進ワーキング・グループ(銭谷美幸座長)をオンラインで開催した。金融情報テクノロジー企業であるブルームバーグ社から、「Society 5.0~サステナブルイノベーションへ向かって、データとソリューションの最前線」と題して説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ ブルームバーグ社の使命

当社は、1981年にマイケル・ブルームバーグ氏(現TCFD〈気候関連財務情報開示タスクフォース〉議長)が創設した金融情報テクノロジー企業である。「高付加価値データにより市場に透明性をもたらし、よりよい世界を実現する」という使命のもと、投資判断に必要な金融市場データと分析機能を提供している。近年はESG(環境・社会・ガバナンス)など非財務データとその分析機能の提供にも注力している。

■ ESG債に関するデータ

当社では、近年発行額が増加しているグリーンボンドやソーシャルボンドに関する詳細なデータを提供している。ICMA(国際資本市場協会)の厳格な定義に沿ったものに加えて、より広範にグリーンボンドやソーシャルボンド、さらにはサステナビリティリンク債、トランジションボンドといった新たな債券のデータも提供しており、さまざまな分析に貢献している。

■ ブルームバーグNEFの最新技術に関する分析

ブルームバーグNEFは、グローバルコモディティー市場と低炭素化技術やデジタル産業技術など、低炭素社会への移行を推進するための最新技術に関する調査分析に特化している戦略部門である。

近年、経済産業省によると200を超える日本企業がカーボンニュートラルを掲げている。一方、グローバルにみると、気候テックを進める新興企業が多くのベンチャーキャピタルを引き付けており、その資金調達額は3680億ドルを超えるまでに成長した。その大半は中国上海と米国サンフランシスコに集中している。今後の日本における調達額の拡大が期待される。

なお、電力会社のデジタルトランスフォーメーション(DX)化に関するデータを分析したところ、日本は下から2番目のグループにとどまっている。この背景として、スマートシティーの取り組みが遅れていることが考えられる。一方、日本では災害時の電力の安定供給にも資する高価な蓄電池の購入意欲が高いなど、レジリエンスに関心が高い。ブルームバーグNEFの分析では、レジリエントかつスマートな都市の実現の取り組みを進めることの重要性を強調している。

■ ESGインデックス

当社では、ブルームバーグMSCI ESG債券インデックスやブルームバーグSASBインデックスなど代表的なものはもとより各種ESGインデックスを提供しており、投資家がサステナビリティの要素をポートフォリオ分析に組み込むうえで貢献している。さらに、ベンチマーク設定やポートフォリオ分析においてサステナビリティに焦点を当てる投資家のニーズが多様化・高度化するなか、それをサポートするためにカスタムインデックスの開発にも注力している。

■ ESGデータの提供

当社は、有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書などの公開資料を基に約1万2000社、2100種類以上のESGデータを提供している。各企業が異なる単位で情報を開示していた場合でも同一の単位に統一して表示できるので、投資家は企業のデータを容易に比較できる。またSDGsやSFDR(サステナブルファイナンス開示規則)などに対応したデータ表示もできる。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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