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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年9月9日 No.3513 日本の存在感を高めインドネシアの期待に応える -日本・インドネシア経済委員会

経団連は8月5日、日本・インドネシア経済委員会(小林健委員長、國分文也委員長)をオンラインで開催し、金杉憲治駐インドネシア特命全権大使から、インドネシアの政治・経済情勢等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 新型コロナの状況と着任半年の印象

インドネシアにおいても新型コロナウイルスの感染状況は深刻である。インドネシア政府への働きかけを継続し、邦人の出入国をはじめしっかりと対応していく。

政府要人等からは、インドネシアにおける日本の存在感が薄まっているとの声がある。若い世代にとって、日本は特別な存在ではなくなっているように思う。他方、中国や韓国の存在感が想像以上に大きくなっている。そのため、日本の特性、良さをことあるごとに打ち込んでいく必要があると考えている。インドネシアの人々はエネルギッシュかつ楽観的であり、厚みを増す高度人材と相まって発展に向けた高い将来性を感じている。

■ ジョコ政権の政策と日本のビジネスチャンス

ジョコ政権は、雇用創出に関するオムニバス法を通じた法整備を進めている。今後は法律の解釈・運用を注視する必要があるものの、実施細則制定の過程で意見を公募するなど、透明性を確保しようとする姿勢は評価されよう。

産業政策について、エネルギー分野では、太陽光発電を中心に再生エネルギーを導入するとともに、既存の火力発電のCO2削減のため、アンモニアや水素の混焼も行われている。また、電気自動車用バッテリーの国産化を推進している。デジタル分野は、若者を中心に電子決済取引のさらなる拡大が見込まれることに加え、インドネシア政府が、スタートアップ企業やユニコーンの創出にも注力しており、日本にとってもビジネスチャンスとなるだろう。

日本からインドネシアへの投資は相対的に低減傾向だが、特徴は分野が広く件数が多いことである。今後の投資の方向性として、電力のグリーン化や住宅等の生活の質の向上に関連するものが求められるだろう。

日本が関与するインフラ案件としては、昨年開業したパティンバン港に加え、MRT(Mass Rapid Transit)がある。日本の投資先はジャワ島が中心であるので、他の離島での開発も促進していきたい。技能実習制度等による人材育成について、新型コロナによる影響はあるものの、技術移転の観点から評価されている。日本企業によるこれらの貢献、日本の強みや良さを示すため、SNSやインタビュー等を活用し、官民一体で対外発信を進めていく。

■ 今後の日インドネシア関係

インドネシアは、ASEANのリーダーとして行動することが多くなっている。また、2022年のG20議長国、23年のASEAN議長国であり、23年は日・ASEAN友好協力50周年を迎える。これらの外交日程におけるジョコ大統領の訪日、日本の総理大臣のインドネシア訪問の機会をとらえ、課題を解決しながら両国関係を一層強化していきたい。

24年の大統領選挙戦はすでに始まっているが、誰が大統領に就任しても政策の大きな変更はないだろう。今後、日本とインドネシアは、同じ目線に立って関係を構築していくことが重要である。また、次世代との交流を大事にしていくべきである。

【国際協力本部】

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