経団連事業サービスは5月26日、東京・大手町の経団連会館で、ミドルマネジャー向け年間講座「経団連グリーンフォーラム」の第15期修了式を開催した。
今期は新型コロナウイルスの影響で開講が遅れ、修了が例年の3月から後ろ倒しとなったが、オンライン出席を含む受講者31名と、チーフアドバイザーの大橋徹二経団連副会長(コマツ会長)、アドバイザーの大久保幸夫リクルートフェロー・職業能力研究所代表取締役が出席した。
冒頭、大橋チーフアドバイザーが講話。コマツの経営を例に「社会を含むすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を企業価値と定義し、これを最大化することが経営の基本である」と述べた。また、「ステークホルダーのなかには、企業価値を創出する社員や協力企業、代理店、企業価値を評価する株主やマスコミ、地域コミュニティーとともに、両方を行う顧客がいる。各ステークホルダーとの関係のバランスを取りつつも、顧客にとって自社でなくてはならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在になる『顧客価値創造活動』が重要である」と強調した。
続いて、大久保アドバイザーは、「ミドルマネジャーは、それまでのキャリアにおいては、バランスの取れたビジネスパーソンとして、会社からの期待に応えることを考えていればよかった。今後のキャリアでは、何か突き抜けたものを持って期待を超えることが求められる。そのようなステージの違いを自覚し、自ら進んで変化していってほしい」と激励した。
続いて受講生一人ひとりが講座内容や同期生間の交流を振り返り、修了スピーチを行った。「非常にタフな講座だった。数多くの課題図書を与えられ、こんなに読書をしたのは学生時代以来だった。身についた勉強の習慣を続けていきたい」「受講生間のグループワークでは、人によって課題をとらえる視点や解決方法が異なっており、新鮮な刺激を受けた」などの感想や、「これまでの会社人生では出会えなかった人々との間で築いた人脈は大きな財産となった。修了後も同期生との交流は続けていきたい」との意気込みを語った。
経団連グリーンフォーラムは職場をリードできるプロ人材の育成を目的に、2006年に開講。リーダーシップやキャリアデザイン、プロジェクト管理、交渉術、プレゼンテーション、ロジカルコミュニケーションなど、マネジメントに必須のマインドとスキルを演習中心に学ぶ年間講座。第16期は6月22日に開講した。
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