経団連は5月13日、東京・大手町の経団連会館で河野太郎国務大臣と会談し、河野大臣からワクチン接種等に関する協力要請を受けるとともに、今後の対応について意見交換した。経団連からは冨田哲郎副会長が出席した。
河野大臣は経団連に対し、ワクチン接種等に関連して、(1)企業(職域)接種(2)接種後の副反応への柔軟な対応(3)ワクチンパスポートのあり方――の3点について協力や意見を求めた。
1点目の企業(職域)接種への協力については、変異株は感染力が強く、早期接種が重要になるとしたうえで、企業の診療所や産業医を活用して、高齢職員、現役世代に職場での接種を行うとともに、可能な範囲での地域住民への接種についても協力を求めた。
2点目の接種後の副反応への対応については、通常のインフルエンザワクチンよりも接種の翌日に副反応が多くみられることから、社員への休暇の付与や、テレワークの実施について検討してほしいと述べた。
3点目のワクチンパスポートに関しては、当面は紙による証明書を活用せざるを得ない状況にあるものの、デジタル化も含めて検討する考えを明らかにした。さらに、ワクチンパスポートのあり方についての意見も求めた。
冨田副会長は、経済活性化の観点からも早期接種は重要と指摘。企業(職域)接種について、「ワクチン保管のための冷蔵庫の支給など、さまざまな支援を得ながら最大限協力したい」と述べた。接種後の副反応への対応については、「社員が安心して接種できるよう、各社の実情も踏まえた柔軟な対応を会員に呼びかけたい」と応じた。
ワクチンパスポートについては、海外渡航の利便性向上のためにも重要であると指摘したうえで、「経団連が設置しているタスクフォースでの議論や検討内容を伝えたい」と協力していく姿勢を示した。
懇談の最後に河野大臣は、今後、個別に本件に関する相談をしたいとの意向を示した。
【労働法制本部】