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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年4月1日 No.3494 アメリカ外交と日米関係の現状 -アメリカ委員会

杉山氏

経団連は3月15日、東京・大手町の経団連会館でアメリカ委員会(早川茂委員長、植木義晴委員長、永野毅委員長)を開催し、杉山晋輔前アメリカ駐箚特命全権大使から、トランプ政権下・バイデン政権下におけるアメリカ外交ならびに日米関係の現状について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ トランプ政権下・バイデン政権下におけるアメリカ外交

2016年のアメリカ大統領選挙では、大多数の予想を覆し、トランプ大統領が誕生した。大統領就任以前は公的役職に就いたことがなく、建前抜きで本音を語る、異例の人物であった。

トランプ大統領誕生により、アメリカ外交にも変化が生じた。例えば、多くの国務次官補が決まらないなか、完全なトップダウン方式で政策決定が行われた。これは、国務次官補が就任してから外交が本格化するという、以前のプロセスからはかけ離れたものである。

バイデン大統領は国際協調ならびに同盟国重視の姿勢をみせるなど、トランプ大統領とは異なる外交政策も展開している。しかし、アメリカ社会が求めた結果としてトランプ大統領が誕生し、一定の支持を獲得していたことを考慮すると、完全なトップダウン方式の政策決定プロセスを、以前のかたちに戻すことはないだろう。22年の中間選挙に向け、バイデン政権は結果を出さなければならない。バイデン大統領の呼びかけで日米豪印の首脳会議が開催されたように、今後もアメリカ外交はハイスピードで展開されていく。

■ 日米関係の現状

現在の日米関係は、これまでになく良好である。要因としては、次の3点が挙げられる。1点目は、首脳同士の関係である。安倍晋三首相とトランプ大統領、および菅義偉首相とバイデン大統領は、会談を重ねることで相互理解を醸成することに成功している。

2点目は、30年超にわたる米国社会に対する日本企業の努力である。投資や雇用等を通じ、日本企業はアメリカの経済社会において不可分な存在となった。これは、日米関係の大きな礎となっている。

3点目は、インド太平洋地域における安全保障環境の変化である。中国が台頭するなか、地域秩序の安定化に向け、過去にも増して日米同盟に対する期待が高まっている。

以上を踏まえ、日本はアメリカとの関係を一層強化するとともに、積極的にイニシアティブをとりながら、外交力・発信力の強化に努めなくてはならない。

【国際経済本部】

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