経団連は1月22日、行政改革推進委員会規制改革推進部会(竹村信昭部会長)をオンラインで開催し、内閣府規制改革推進室の彦谷直克次長から規制改革推進会議の取り組みについて説明を聴くとともに懇談した。あわせて、経団連が昨年10月に公表した2020年度規制改革要望は、すでにさまざまな施策に反映されつつあることから、検討状況の詳細を確認した。彦谷氏の説明の概要は次のとおり。
昨年10月の規制改革推進会議議長・座長会合では、規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)の対応強化とともに、新型コロナウイルス感染症への対応、規制全般のデジタルトランスフォーメーション(DX)、地方を含めた経済活性化・成長路線への回復の3つを柱として規制改革に取り組むこととした。12月8日に閣議決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」や、同月22日に規制改革推進会議が取りまとめた「当面の規制改革の実施事項」に具体的な検討内容を盛り込んでいる。
実施事項としては、まず、行政手続きや民間の手続きの書面・押印・対面の見直しがある。行政手続きについては、83手続を除くすべての手続きで押印不要とする法令の改正を行うとともに、5年以内に手続きの95%超をオンライン化する。
民間の手続きに関しては、今年のバーチャルオンリー型株主総会開催に向けて関連法案を提出する。
経団連から提案のあった専任・常駐義務等の見直しも盛り込んでいる。監理技術者の専任要件や産業医の常駐および兼務要件の緩和、一般用医薬品販売規制の見直し等を行う。特に、産業医の常駐および兼務要件の緩和は、今年度内に措置を行う。テレワークの普及・促進に向けては、環境整備や労務管理関連の課題解決に向け、「情報技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン(テレワークガイドライン)」を年度内に改定する。
また、飲食店等の道路占用許可基準の緩和については、国土交通省の特例措置を今年度末まで延長するとともに、新制度の歩行者利便増進道路制度も使いやすいよう手続きの簡易化に取り組む。
さらに、規制改革・行政改革担当大臣のもとに直轄チームを設け、縦割り110番等で寄せられた要望のうち、早期に取り組むべき事項について検討している。具体的にはドローンの高度規制の緩和と許可基準の明確化、再生可能エネルギー等に関する規制の総点検を進めたい。
一方、オンライン診療・服薬指導とオンライン教育は引き続き対応を検討中である。オンライン診療・服薬指導については、現在の時限的措置を新型コロナ収束までは実施するとともに、それ以降については具体的なエビデンスをもとに検討し、今夏には恒久化の内容の骨格を取りまとめる。
オンライン教育については、内容のさらなる充実に向けて具体的な検討を行い、今年度中に取りまとめる。
【産業政策本部】