経団連は1月25日、「令和2年改正個人情報保護法政令・規則案に対する意見」を個人情報保護委員会へ提出した。改正個人情報保護法は、2020年6月12日の公布から2年以内の施行が予定されており、個人情報保護委員会は、改正法に基づく政令・規則・ガイドライン等の検討を進めている。今般、これまでの検討を基にした政令・規則案を20年12月25日に公表し、意見募集を開始したことから、デジタルエコノミー推進委員会企画部会(浦川伸一部会長)において対応を検討し、同意見を取りまとめた。
同意見では、Society 5.0の実現に向け個人データを含むデータの適正な利用がカギであり、個人の納得・信頼を前提としたうえで事業者が円滑に個人データを利活用できる仕組みが不可欠であることをあらためて強調した。また、改正法に基づく新たな規律が事業者に過度の負担を課すものであったり、具体的に講ずべき措置が曖昧なものであったりすれば、個人データの円滑な利活用を妨げ、個人の権利利益の保護を損なうこととなることを指摘した。
その他の主な主張は次のとおり。
- 保有個人データの安全管理のために講じた措置について事業者が公表すべき内容を具体的に示すとともに、アルゴリズムを含む複雑なデータ処理については公表を求めないことを明確にすべきである。
- 漏洩等の報告等の対象は、漏洩等の「おそれがある」場合ではなく「おそれが高い」場合とすべきである。
- 漏洩等の報告の期限は、報告に要する時間を勘案したうえで速報・確報ともに妥当な目安・期限を示すべきである。その際、事実関係の把握等に時間を要することがやむを得ない場合について、期限の設定を柔軟にすべきである。
- 越境移転に際して提供が求められる、外国にある第三者に関する情報のうち、各国の個人情報保護制度にかかる情報は、情報の質を担保するとともに事業者への過度の負担を避ける観点から、個人情報保護委員会が提供すべきである。
【産業技術本部】