経団連(中西宏明会長)は1月20日、東京・大手町の経団連会館で、小泉進次郎環境大臣をはじめ環境省幹部との懇談会を開催した。同懇談会は、2020年9月24日に環境省と経団連が合意した「環境と成長の好循環に向けたコロナ後の経済社会の再設計(Redesign)」(20年10月1日号既報)を踏まえて開催したもの。経団連からは、杉森務副会長、野田由美子審議員会副議長をはじめ環境安全委員会の幹部が出席し、「サーキュラー・エコノミー」をテーマに意見交換を行った。
冒頭、杉森副会長は、サステナブルな社会を実現するため、調達・資源投入から、生産・流通、消費・利用、回収・リサイクルといった一連のサイクルを社会経済活動に組み込み、新しい経済モデルを構築することが重要と指摘。サーキュラー・エコノミーに向けた取り組みを、日本経済界として加速させる必要があるとの認識を示した。
小泉大臣は、新型コロナウイルス後の持続可能で強靱な経済社会への再設計に向け、「脱炭素社会」「分散型社会」への移行と共にサーキュラー・エコノミーへの移行の重要性を強調。また、日本の先進的な技術やソリューションをサーキュラー・エコノミーの観点からとらえ直し、国際的に発信することで、脱炭素時代における中長期的な競争力の源泉としていくことが必要との考えを述べた。
続いて、環境省側が最近のプラスチック等の資源循環施策の動向について説明。経団連側は7社(ヴェオリア・ジャパン、DOWAホールディングス、太平洋セメント、ブリヂストン、パナソニック、三菱ケミカルホールディングス、サントリーホールディングス)が各社の取り組み事例を紹介した。
小泉大臣は、各社の取り組みが世界的な資源循環に貢献していることを評価したうえで、取り組みの加速化に向けた官民連携を強化する「循環経済パートナーシップ」の設立を提案。同パートナーシップ案においては、企業・消費者等幅広い関係者における循環経済へのさらなる理解醸成と取り組み促進を図るとともに、循環経済への流れが世界的に加速化するなかで、国際社会における日本のプレゼンス向上を目指すことが示された。環境省と経団連は、具体的な活動内容の調整を進め、今春を目途に正式に発足させることで合意した。
【環境エネルギー本部】