経団連の中西宏明会長は12月21日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
2050年カーボンニュートラル(2050CN)の実現について中西会長は、「日本にとって大きな挑戦。マクロ、ミクロ両面で実現方法を考え、イノベーションを創出していく必要がある」との認識を表明。「補正予算の2兆円基金など、政府と民間が力と知恵を出し合い、ダイナミックに投資できる環境をつくることで課題を解決していきたい」と述べた。
カーボンプライシングについては、「2050CNの実現に向け、全般的な取り組みが求められるカーボンプライシングの議論を拒否するところから出発するのではなく、機能するかどうか、総合的な検討が必要だ」との認識を示した。
令和3年度予算案については、「事業継続により雇用を守りつつ、所得水準を維持し、さらに成長も遂げるという決意を示した予算だ」と強い支持を表明。わが国の財政が瀬戸際にあることを国民レベルで認識するとともに、来年度予算を次の成長の糧にすることが必要と強調した。
21年の春季労使交渉については、コロナ禍にあって雇用維持と事業継続に懸命に取り組む企業があるなか、「賃金引き上げのモメンタムに関して一律に対応することは困難だろう」と見通しつつも、わが国の所得水準がOECD加盟国中で下位にあることを指摘し、「賃上げのモメンタムを意識して検討することが第一歩。わが国全体の所得水準や生産性の向上に資する方策について、労使間で議論を深めていく必要がある」と述べた。
【広報本部】