
五神総長
経団連は2月6日、東京・大手町の経団連会館で常任幹事会を開催し、東京大学の五神真総長から、「Society 5.0への社会変革と大学の役割」について聞いた。概要は次のとおり。
■ 知識集約型社会への転換とSociety 5.0
超高齢化と少子化による労働力減少や、都市と地方の格差拡大など多くの社会課題を解決するため、知識を集約し、持続可能でインクルーシブな経済社会システム(Society 5.0)を構築しなくてはならない。Society 5.0の実現には、科学技術イノベーションと社会システム、経済メカニズムの好循環が不可欠。大学としては蓄積された人文系の知も活用し、この循環を駆動していきたい。
■ AI革命
コンピューターの飛躍的な進歩とビッグデータの蓄積により、機械学習を特徴とする世界的なAI革命(ブーム)が起こっている。わが国は高度なセンサー技術産業や情報インフラ、AI・ロボットへの社会的受容性の高さの点で他国にアドバンテージがある。一方、AI人材の不足が課題となっており、文系を含めた大学教育・社会人教育を強化していくべきだろう。
■ Society 5.0に向けた社会変革を駆動する東京大学
大学は単なる教育の場というだけではなく、知識集約産業のハブとしての役割を果たし、産業・社会基盤を支える柱となることが期待されている。産業界とも連携しながら経済循環の仕組みをつくり、さらに駆動させることで、明るい未来社会を描いていきたい。
世界経済フォーラム(ダボス会議)でデータ規制をめぐる議論において、先行企業と新興企業で意見が対立するなか、安倍首相が信頼ある自由なデータ流通のための体制構築を掲げたことは非常に価値のあること。大学としても、データ駆動型社会への転換の拠点として貢献を果たしていきたい。
【総務本部】