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経団連の榊原定征会長は10月23日、日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の小林喜光代表幹事、日本貿易会の加留部淳副会長とともに首相官邸を訪れ、安倍晋三総理大臣ならびに茂木敏充内閣府特命担当大臣(経済財政政策)に経済4団体の共同提言「11カ国によるTPPの早期実現を求める」を建議した。全文は次のとおり。
11カ国によるTPPの早期実現を求める
米国を含む12カ国が昨年2月に署名した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、アジア太平洋地域において、貿易・投資に関する広範かつ高水準のルール作りを主導する取り組みであり、今後のFTA/EPAのモデルとなるものである。また、同協定は、自由、民主主義、法の支配、市場経済という共通の価値観・原則をベースとしたルールに基づく自由で開かれた国際経済秩序作りへの極めて重要な一歩と位置づけられる。
わが国経済にとっても、TPP協定の実現は、アジア太平洋地域にまたがる企業の高度なバリュー・チェーンを制度的に支える基盤となり得るものであり、また、協定を活用することによって、世界の成長センターである同地域のダイナミズムを取り込むことは成長戦略の重要な柱でもある。
今年1月、協定の発効に不可欠である米国が離脱を表明したことは大変遺憾である。しかしながら、アジア太平洋地域の安定と繁栄に向けた、その経済的および戦略的意義に鑑みれば、ここで逡巡することなく、米国の将来の復帰を期して、まずは11カ国によるTPP(いわゆるTPP11)の実現を目指すべきである。
この点、われわれ経済界は、TPP11の早期発効に向けた日本政府のリーダーシップを高く評価するものである。21世紀型の包括的で高水準という協定の本質を損なうことのないよう、原協定からの変更や凍結項目は最小限にとどめ、11月に予定されているAPEC首脳会議の際の大筋合意を目指すべきである。
これと並行して、米国との関係では、日米経済対話を通じて、TPP協定に盛り込まれた高い水準のルールをアジア太平洋地域にいかに広げていくかについて議論を深めていく必要がある。
【国際経済本部】