経団連の中東・北アフリカ地域委員会(木村康委員長、石飛修委員長)は1日、東京・大手町の経団連会館で、上村司外務省中東アフリカ局長、丸山則夫アフリカ部長と中東ならびにアフリカ諸国に駐在する42名の大使を招き、中東・アフリカ諸国の政治経済情勢等に関する懇談会を行った。
会合の冒頭、上村中東アフリカ局長からは、中東・アフリカ地域は日本の経済利益の実現や日本の将来にとって重要な地域でありながら、政治・経済の両面で課題を抱える国も多く、それらの課題にいかに対応していくかが重要であり、先般のOPEC減産合意は中東地域の安定につながることが期待されるため、これを歓迎する旨の話があった。また、丸山アフリカ部長は、TICADⅥ(第6回アフリカ開発会議)におけるわが国経済界の協力に対する謝辞が示されるとともに、安倍総理が提唱した日アフリカ官民経済フォーラムについては、今後民間企業の意見も踏まえながら進め方を検討したいと述べた。
続いてトルコ、イラン、アルジェリア、南アフリカ、ガーナの大使から、各国の最新の政治経済情勢について説明があった。
トルコについては、一部軍事勢力によるクーデター未遂事件はあったものの、14年間にわたりエルドアン大統領を中心とする公正発展党が単独政権を担い、内政は安定していると説明。また経済面では、日本企業による自動車ならびにインフラ分野等における大規模投資も着々と進んでいるとの報告があった。
またイランでは、ロウハニ大統領が公約の1つであったイラン核合意(JCPOA)を達成、今後、同合意に関する米国の反応を注視していくと説明した。また経済面では、ビジネス環境改善や外国からの投資呼び込みが課題であるとの報告があった。
アルジェリアでは、輸出の95%以上が石油と天然ガスであるため、経済の多角化を推進すべく輸出特区等を設置しており、日本企業の再進出に大きな期待が寄せられているとの報告があった。加えて、日本企業の再進出を後押しするため、日本・アルジェリアの二国間における官民合同会議を開催したいとの提案があった。
南アフリカについては、今年2月に経団連がミッションを派遣したことへの謝辞に加え、経済面では、電力供給と資源価格の回復に伴いGDP成長率の見通しは2017年1.3%、18年は2%の成長を維持し、今後も経済は堅調に推移する見通しである旨を説明があった。
ガーナでは、1992年の民政移管後、大統領・国会議員選挙を4年ごとに6回、政権交代も平和裏に2度経験しており、12月の大統領選挙も概ね平和的に行われ、対外政策にも大きな影響がない見通しとの報告があった。
【国際協力本部】