経団連は15日、「2016年度新卒採用に関するアンケート調査」の集計結果を公表した。同調査は、大卒新卒者等の採用選考活動を総括することを目的として97年から実施している。今年は7月から8月にかけて会員企業を対象に実施、709社から回答を得た(回答率52.9%)。調査結果の概要は次のとおり。
■ 採用選考にあたって特に重視した点
16年4月入社対象の採用選考にあたって特に重視した点(20項目から上位5つを選択)で最も多かったのは「コミュニケーション能力」で、13年連続で第1位となった。第2位は7年連続で「主体性」となっている。また、昨年第3位の「チャレンジ精神」と、同第4位の「協調性」の順位が入れ替わった。
■ 採用選考活動の実施割合と評価
17年4月入社対象の採用選考活動を実施した企業の割合は96.8%で、引き続き高水準で推移している。
新卒採用市場の評価については、71.3%の企業が「売り手市場(学生側が有利)であった」と回答しており、売り手市場の状況が続いている。
■ 採用選考スケジュールの変更に伴う影響・評価
17年入社対象の採用選考スケジュールは、学生の就職活動の長期化等の問題を受け、選考活動開始時期を8月1日から6月1日に見直した(広報活動は3月1日のまま)。そこで、見直し前の16年入社対象のスケジュールとの比較で評価を聞いたところ、69.4%の企業が「非常に良かった」、「どちらかといえば良かった」と回答した。
選考開始時期が2カ月前倒しになったことの自社の採用選考活動への影響として、32.7%が「採用選考活動の長期化の是正」の面で「良い影響があった」と評価した。一方、「学生の業界・企業研究」(65.7%)や「学生の自社に対する理解・研究」(66.2%)において、「悪い影響があった」とする回答が多かった。
【労働政策本部】