経団連(榊原定征会長)は4日、第3次安倍第2次改造内閣の発足を受けて「新内閣に望む」を建議した。震災復興の加速と防災・減災対策の強化、「官民戦略プロジェクト10」の具体化、とりわけ成長戦略の柱としての第4次産業革命(Society 5.0)の推進をはじめとするGDP600兆円経済の実現、社会保障制度改革の実行、財政健全化の達成、世界経済の安定的かつ持続的な発展への貢献、東京オリンピック・パラリンピック等の成功など、重要政策課題の推進を求めた。
新内閣に望む
世界経済は、英国のEU離脱問題、新興国経済の減速などを受け、先行き不透明感が増している。加えて、自由貿易のもとでのグローバル化の推進に対する懐疑的な見方もあり、保護主義や孤立主義の台頭が懸念されている。
こうした世界情勢のなかわが国では、先の参議院議員選挙を通じて強固かつ安定的な政権基盤が確立された。新内閣が大胆な規制改革、社会保障制度改革など、痛みを伴う構造改革にも果敢に取り組み、国内外で大いにリーダーシップを発揮することを強く期待したい。
わが国経済の最重要課題は、景気回復の速度を上げ、デフレ脱却と経済再生を確実に実現し、GDP600兆円経済への確固たる道筋をつけることである。新内閣には、引き続き「経済最優先」で取り組んでいただきたい。まずは、先般閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」を早期かつ着実に実行する必要がある。
あわせて、財政健全化の達成に向けて、歳出改革および歳入改革を不退転の覚悟で進めていただきたい。
また、G7議長国として、世界経済の持続的成長に向けて、自由で開かれた貿易投資体制の維持・強化、金融・資本市場の安定確保に力を尽くしていただきたい。特にTPP協定は、貿易投資に関する広範かつ高度な水準のグローバルなルールづくりをリードする取り組みであり、わが国が早期に承認することで、迅速な発効を促す必要がある。
経団連は、経済と政治という「車の両輪」の一翼を担い、新内閣との連携を深めながら課題克服に主体的に取り組み、「豊かで活力ある日本」を実現していく。
※詳細は経団連ウェブサイトに掲載