経団連の榊原定征会長は9日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
榊原会長は、G7伊勢志摩サミットに向けた安倍首相の欧州歴訪を評価。各国首脳との間で、金融政策・機動的な財政政策・構造改革において、協力を進めることが重要であるとの認識を共有するなど、G7サミットへの周到な準備として有意義であったと述べた。
これに関連し、先のB7東京サミットにおいて、現在の経済の停滞状況から脱却し、持続的で力強い世界経済を実現するためには、G7がリーダーシップを発揮して世界経済を牽引すべきとの認識で一致したことを紹介。議論の成果として「機動的な財政政策を実施するとともに、生産性向上のための大胆な構造改革を断行することが強靭な経済を達成するうえで不可欠である」との共同宣言を取りまとめ、安倍首相に手交したことに言及。G7サミットでは、同宣言を踏まえた政策の方向性を示し、世界経済の安定的かつ持続的な成長に向けた牽引役を担う覚悟を表明してほしいとして、G7が協調して政策を打ち出すことに期待を示した。
また、日ロ関係について、首脳間に親密な関係が構築されていることは重要な意義があると指摘。平和条約締結交渉が停滞し、難しい状況にあるなか、今般の日ロ首脳会談において、両首脳が今までの発想にとらわれない新しいアプローチで交渉を進めていくことで一致したことに理解できるとした。そのうえで、両首脳の粘り強い対応によって、望ましい方向性が示されることに期待を表明。経団連としても、来月に日ロ経済委員会のミッションをモスクワに派遣するなど、ロシアとのビジネス対話を継続していくと述べた。また、ロシアはさまざまなポテンシャルを秘めており、経済界は、政府の取り組みに呼応して、日ロ間の互恵的、多面的な経済関係の構築に努力していくとの方針を明らかにした。
【広報本部】