経団連は1月29日、2015年6月度の定期賃金調査結果を発表した。同調査では、今後の賃金対策の参考とするために従業員の定期給与(月例賃金)の実態と動向を毎年把握している。調査結果の概要は次のとおり。
(1)学歴別標準者賃金
標準者の賃金を学歴別にみると、管理・事務・技術労働者の大学卒は、総合職・一般職いずれも、年齢・勤続年数が上がるにつれて賃金額が上昇し、55歳でピークを迎えた後は、役職定年制などの影響により下降する傾向がみられる。この傾向が最も顕著な総合職では、35歳から40歳の間で賃金額の増加が最大(7万5718円)となっている。また、55歳から60歳にかけての減少幅(3万5769円、5.7%ポイント)が、額・率ともに前年(2万2932円、3.8%ポイント)に比べて拡大した(図表1参照)。
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(2)産業別平均賃金
所定労働時間内賃金は、全産業平均が38万9712円、製造業平均38万607円、非製造業平均が40万2120円となった。
一方、所定労働時間外賃金は、全産業平均が5万3046円、製造業平均が5万5048円、非製造業平均が5万318円となり、各産業を取り巻く経営環境の違いなどを反映し、業種ごとにバラツキがみられた(図表2参照)。
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(3)役職者賃金
実在する役職者に支払われた所定労働時間内賃金の平均は、部長(兼取締役)が91万6398円、部長69万7814円、部次長60万217円、課長53万8925円、係長40万2787円となった。
部長の賃金を100とした各役職の賃金の比率について、直近10年間の動向をみると、「部長(兼取締役)」を除く役職に概ね変化はなく、「部次長」が80台後半(85.9~88.0)、「課長」が70台後半(76.2~77.6)、「係長」が50台後半(56.8~58.8)で推移している。
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「定期賃金調査」は、1953年から毎年実施している。2015年は経団連の企業会員および東京経営者協会の会員企業のうち、359社(製造業53.8%、非製造業46.2%)から回答を得た(有効回答率18.8%)。
【労働政策本部】