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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年1月7日 No.3253 経済3団体が新年祝賀パーティー開催 -経済界はじめ各界から1800名出席

経団連(榊原定征会長)、日本・東京商工会議所(三村明夫会頭)、経済同友会(小林喜光代表幹事)の経済3団体は5日、都内のホテルで「2016年新年祝賀パーティー」を開催した。各団体の会員企業代表者や麻生太郎副総理・財務大臣をはじめ政界の要人、大使館関係者ら約1800名が出席し、賀詞を交換した。

冒頭、主催者を代表して経済同友会の小林代表幹事があいさつ。小林代表幹事は、アベノミクスのもと法人実効税率の引き下げ、TPPの大筋合意や日韓関係の前進、COP21における「パリ協定」の採択などビジネスを取り巻く環境が改善したと述べた。そのうえで企業経営者には、国内外の経済・社会情勢を的確にとらえた「覚悟と実行」が求められると指摘。「過去の延長線上に未来はない」として、(1)第4次産業革命への挑戦(2)事業再編と新陳代謝の推進(3)積極的な投資や賃上げを通じた経済の好循環づくりへの貢献(4)環境・社会・企業統治などのESGに対応した経営の実践――などに取り組むため、「経営者が心の内なる岩盤を打破していくことが必要だ」と訴えた。

共同記者会見で榊原会長が発言

共同記者会見で発言する榊原会長(中央)

パーティー後、榊原会長は共同記者会見に臨み、経済情勢や経済の好循環実現に向けた取り組みなどについて見解を示した。

■ 景気認識

2016年も中国を含むアジアが世界経済の成長センターとなる。アジアに加え、米国が世界経済の牽引役である。雇用や所得環境、エネルギー価格、個人消費の強さを踏まえれば2%台後半の成長を実現すると思う。欧州経済も緩やかに回復していくだろう。中国経済は成長ペースが減速しているが、金融緩和、財政支出拡大、構造改革などの景気対策によりニューノーマル(新常態)のもとでの6.5%以上の経済成長を続けていくとみている。世界経済全体では3%台半ば程度の成長を実現できると思う。

日本経済については着実にアベノミクスの効果が表れてきている。円安、エネルギー安を受け、企業業績は好調を維持、昨年はTPPの大筋合意、原子力発電所の再稼働、法人実効税率の引き下げ、COP21でのパリ協定採択などが実現した。六重苦の事業環境も整備されつつあり、昨年を上回る成長が期待できる。

株価は年明けから下落しているが、中国経済の減速懸念や緊迫する中東情勢を受けたもので、一時的な動きだろう。好調な企業業績を反映して2万円台を回復するとみている。日本経済のファンダメンタルズにはそれだけの力があると思う。

米国の利上げが新興国経済に影響を及ぼす懸念はあるものの、利上げの時期、規模ともに想定されたもので、マイナスの影響は限定的になるだろう。中国経済の減速についても悲観視していない。昨年会談した李克強首相は、第13次5カ年計画のもとで構造改革を進め、投資・輸出主導から国内消費主導へ経済の構造転換を図るとともに、国営企業の改革に強い決意を示した。成長に向けた強い自信がうかがえた。

地政学的なリスクとしてテロや中東情勢などが懸念される。国際社会はテロの防止に向けた協調を進めており、そうした取り組みに期待したい。

■ 賃金引き上げ

今年は日本経済にとって極めて重要な年になる。デフレ脱却と経済再生に向けての正念場であり、そのカギを握るのはGDPの7割を占める個人消費と民間設備投資の拡大である。経団連は昨年、一昨年と会員企業に賃金引き上げを呼びかけた。収益が拡大した企業には、設備投資、研究開発投資、雇用の拡大とあわせ昨年を上回る年収ベースでの引き上げを前向きに検討するよう求めていく。

■ デフレ脱却

デフレ脱却のカギは賃金引き上げと設備投資の拡大であり、経済界としてこれをどの程度実現できるかにかかってくる。設備投資は国内の事業環境が整備されれば、18年には15年の約70兆円から80兆円程度への拡大が可能とみている。環境整備が着実に進めば確実に設備投資が拡大し、デフレからも脱却できる。経団連としても最大限努力し、会員企業に積極経営に転じていくよう引き続き呼びかけていく。

■ 中小企業への支援

取引価格の適正化は政労使会議でも重要なテーマとなっており、同会議の合意文書には、原材料価格の高騰等をきちんと価格に転嫁し取引価格を適正化すること、中小企業の生産性向上を大企業が支援することが盛り込まれた。さまざまな場を通じ会員企業に前向きな対応をお願いしていく。

【総務本部、広報本部】

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