経団連の榊原定征会長と岩沙弘道審議員会議長が9月17日、青森県六ヶ所村の「むつ小川原開発地区」を訪問、同地区の総合的なエネルギー基地としての開発状況を視察した。
経団連はかねてより同地区の開発推進にかかわってきており、現在は、むつ小川原開発推進委員会を中心に、事業主体である「新むつ小川原株式会社」への支援を行っている。また、経団連会長は同社の経営諮問会議座長を務めている。榊原会長の同地区訪問は今回が初めて。
■ 視察の概要
同地区は近年、国家石油備蓄基地や原子燃料サイクル施設、風力発電施設のほか、核融合や環境技術などの研究開発施設の立地が進み、総合的なエネルギー基地としての発展が著しい。
今回の訪問では、限られた時間のなかで、国家石油備蓄基地やメガソーラー(大規模太陽光発電施設)、風力発電施設、日本原燃の再処理工場および低レベル放射性廃棄物埋設センターなどを見学するとともに、環境科学技術研究所、国際核融合エネルギー研究センター、花き工場、有機EL工場などを視察した。
■ 青森県、六ヶ所村との懇談
昼食時には、青森県の三村申吾知事、六ヶ所村の戸田衛村長らを交えて懇談した。冒頭、榊原会長が「むつ小川原開発地区がイノベーションを通じた地方創生のモデル地区として、ますます発展していくことを期待したい。経団連としても、青森県や六ヶ所村と連携し、同地区の開発を盛り立てていきたい」とあいさつした。これを受けて、三村知事は「青森県はエネルギーと食料の供給基地としての役割を果たしていく。再生可能エネルギーと原子力を組み合わせながら、いわばCO2を排出しないエネルギー基地を目指す。今回の視察会が今後の企業立地のきっかけになることを期待したい」と発言した。また、戸田村長は「六ヶ所村は『次世代エネルギーパーク』として、関連施設の集積が着実に進展している。エネルギー問題に関する国民の理解が進むよう、村としても取り組んでいきたい」と語った。
【環境本部】