経団連(榊原定征会長)、日本商工会議所(三村明夫会頭)、経済同友会(小林喜光代表幹事)、日本貿易会(小林栄三会長)、日比経済委員会(志賀俊之代表世話人)の5団体は4日、都内で国賓として日本を訪問したベニグノ・アキノ3世フィリピン共和国大統領の歓迎昼食会を開催した。フィリピン政府高官、同行のフィリピン経済人も含め、日本側、フィリピン側合わせて約200名が出席した。
冒頭、幹事団体である日本商工会議所の三村会頭の歓迎あいさつに続き、榊原会長があいさつを行った。榊原会長はフィリピンが若く優秀な労働力を豊富に有するとともに、友好的な国民性など、日本企業にとって魅力的なビジネス環境を備えていると述べ、昨年人口が1億人を突破するなど消費市場としても非常に有望であると指摘した。また、今年末に予定されるアセアン経済共同体が発足すれば、日本に最も近いアセアン加盟国として日本企業のサプライ・チェーン戦略上の拠点として、重要性がますます高まるとの期待を示した。そのうえで日本の経済界として「貿易・投資の拡大や人材交流の促進、さらにはインフラの整備などを通じ、フィリピンの発展に貢献していきたい」と述べた。
これを受けて、あいさつを行ったアキノ大統領は、2013年の前回来日の際に経団連との会合において日本企業から指摘のあった課題等に取り組み、成果を挙げてきたことを紹介。特に、金融部門では、法制度改正により外国銀行に対する参入規制の緩和を実現し、フィリピンへ邦銀が参入した実例などを披露した。また、フィリピン政府は、特に製造業の能力強化や多角化を目指していると強調。「製造業再生プログラム」の実施や包括的な自動車産業推進戦略の大統領令など、具体的な取り組みに言及するとともに、日本からの継続的な支援に対する期待を示した。
さらに、フィリピンが今年のAPEC議長国であることに触れ、「わが国はアジア・太平洋地域にとって一層貢献できることを示していきたい。よりインクルーシブなアジア・太平洋をつくるというビジョンの推進に向けて共に歩んでいきたい」と述べた。
【国際協力本部】