経団連(榊原定征会長)は2日、東京・大手町の経団連会館で定時総会を開催した。総会には、経団連の会員代表者ら約470名が出席。岡本圀衞・日本生命保険会長、永易克典・三菱東京UFJ銀行会長、宮永俊一・三菱重工業社長、十倉雅和・住友化学社長、飯島彰己・三井物産会長、工藤泰三・日本郵船会長の6名が新たに副会長に就任。2014年度事業報告および決算が報告されたほか、新体制を決定するとともに、2015年度事業方針および収支予算を承認した。
総会には、安倍晋三総理大臣、麻生太郎副総理・財務大臣、甘利明・経済再生担当大臣、塩崎恭久厚生労働大臣が来賓として出席。安倍総理大臣は、春季労使交渉における経済界の対応と決断に謝意を示したうえで、賃上げ・消費拡大という経済の好循環が新たなステージに入り、今後の成長のカギは生産性向上に向けた設備・技術・人材への投資にあると指摘。民間投資を促す政策実行への決意を示すとともに、攻めの経営へ転換する環境は整ってきたと述べ、企業の投資拡大に対する期待を示した。
続いて、甘利経済再生担当大臣は、産業競争力の強化に向けた投資拡大を呼びかけるとともに、2020年度プライマリーバランスの黒字化に向けた財政再建プランの策定、地方創生特区の指定、新産業創出に向けた研究体制改革等の環境整備を進めると述べた。
最後に、塩崎厚生労働大臣は、企業活力の回復が国の競争力強化や財政健全化の柱となる社会保障改革などにもつながると述べたうえで、後発医薬品の使用促進や疾病予防など健保組合の保険者機能の強化への協力、長時間労働抑制等の働き方改革、女性の活躍支援の好事例の提示、非正規雇用への対応等を求めた。
■ 総会あいさつ
榊原会長は、経済が着実な回復軌道をたどるなか、今がデフレ脱却・経済再生の正念場であり、政・官・民があらゆる手立てを総動員すべき重要な時期と指摘。この1年を法人実効税率の引き下げ、積極的な経済外交の展開、女性活躍推進に関わる呼びかけなど、「行動する経団連」として積極的な政策提言とその実現に向けた働きかけを行い、政権との協力関係を築くことができたと総括した。
そのうえで、今年を経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」で描いた経済・社会の実現に向けた着実な一歩を踏み出す年と位置づけ、財政健全化、エネルギー政策、地方創生、人口問題、経済外交、震災復興、2020年東京オリンピック・パラリンピック等、さまざまな重要課題に積極的に取り組むとの決意を表明するとともに、委員会体制の抜本的再編や海外拠点の強化などの改革を実行すると述べた。
【総務本部】