経団連(榊原定征会長)と日本商工会議所(三村明夫会頭)は3月24日、都内で公式実務訪問賓客として初来日したインドネシア共和国のジョコ・ウィドド大統領を招き、歓迎昼食会を開催した。同会合には、榊原会長、岩沙弘道審議員会議長、副会長ら23名が参加し、インドネシアのビジネス環境の改善や投資拡大に関わる取り組み等について、活発な意見交換が行われた。
冒頭の歓迎あいさつで榊原会長は、ジョコ大統領が積極的に改革に取り組んでいることに敬意を表すとともに、インドネシアは日本企業にとって重要な拠点であり、引き続き積極的に投資を拡大したいと述べた。
また、ジョコ大統領と安倍首相との首脳会談において合意した日インドネシア投資・輸出促進イニシアティブ(PROMOSI)を歓迎すると述べ、日本企業の持つ技術およびノウハウ・経験を活かしながら、港湾機能や島しょ地域を結ぶ海上輸送、鉄道・道路・電力システムなど、さまざまなインフラの整備、金融機能の強化、高度産業人材の育成などに協力する旨を表明した。
次いで、意見交換において、出席者からの質問に対して、ジョコ大統領は概要、次のとおり回答した。
(1)ビジネス環境の改善
現在、企業がビジネスを行ううえでの環境改善に取り組んでおり、具体的には、インフラに関する規制の簡素化、各種の行政手続きの迅速化、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)制度の整備などを進めている。また、高度技術移転の障壁となっている査証の大卒要件を早急に撤廃したい。
(2)人材育成
農業分野の技術研修において、日本企業の支援を期待したい。また、製造業を中心として、日系企業でも活躍できるよう、わが国の人材の質を高めていきたい。
(3)輸出促進
現在、5つの大規模港湾と24の小規模港湾の開発を進めており、これらと工業団地を結ぶ高速道路を建設する。今般輸出手続等の改善や交通渋滞を解決するためのタスクフォースを政府内に設置し、6カ月以内に問題を解決するよう担当の大臣に指示した。
(4)海洋協力
海洋協力においては、漁業、水産加工(缶詰)、高効率船舶などのさまざまな分野において、ぜひ日本に協力願いたい。
【国際協力本部】