電機や自動車、鉄鋼、造船重機などの金属業種の各企業は回答指定日である18日、労働組合からの要求に回答を提示した。今次の春季労使交渉・協議では、自社の経営状況を踏まえつつ、経済の好循環への貢献といったマクロ的な認識や社会的な期待の大きさも考慮しながら、労使で真摯な話し合いを重ねてきた。その結果、月例賃金は昨年実績を大きく上回り、賞与・一時金も昨年以上や満額での回答が相次いだ。
[電機]
日立や東芝、三菱電機、NEC、富士通、パナソニックグループ、富士電機、安川電機などの主要12社はいずれも、月例賃金については、賃金体系維持に加え、「水準改善額3000円」と回答。
一時金は、東芝やNEC、富士通、パナソニックグループなどで業績連動方式を採用しているために要求がなく、交渉を行った日立は5.72カ月(昨年妥結5.62カ月)、三菱電機は6.03カ月(同5.74カ月)、富士電機は5.25カ月(同5.0カ月)となっている。
[自動車]
月例賃金に関する回答は、トヨタが1万1300円(賃金制度維持分7300円含む)、日産が平均賃金改訂原資1万1000円(うち賃金改善相当分5000円)、本田技研がベースアップ3400円、マツダが賃金引き上げ1800円、三菱自工が賃金改善分2000円、スズキが賃金改善分1600円、ダイハツ工業が賃金改善1600円、富士重工が賃金改善分3300円相当、いすゞが賃金改善分3800円と、いずれも昨年実績を上回った。
一時金については、トヨタが6.8カ月(昨年妥結6.8カ月)、日産が5.7カ月(同5.6カ月)、本田技研が5.9カ月(同5.9カ月)、マツダが5.5カ月(同5.3カ月)、三菱自工が5.5カ月(同5.0カ月)、スズキが5.6カ月(同5.5カ月)、ダイハツ工業が5.5カ月(同5.5カ月)、富士重工が6.0カ月(同6.0カ月)、いすゞが6.0カ月(同6.0カ月)、日野自動車が6.0カ月(同6.0カ月)、ヤマハ発動機が5.8カ月(同5.5カ月)で、ほとんどが満額回答であった。
[鉄鋼・造船重機]
月例賃金については、昨年に2年分をまとめて妥結しており、今年は、新日鐵住金とJFEスチール、IHI、三井造船、住友重機械などで1000円、神戸製鋼所では2000円の賃金改善が行われる。
一時金については、新日鐵住金やJFEスチール、神戸製鋼所、川崎重工が業績連動方式となっており、交渉のあった三菱重工59万円+4カ月+生産協力金3万円(昨年妥結53万円+4カ月)、住友重機械が5.3カ月(同4.95カ月)、IHIが5.43カ月(同5.11カ月)と、前年を上回る水準であった。
【労働政策本部】